米App Storeで1位になった「Zynn」はTikTokにそっくり〜その正体とは?

    Zynn

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    App Store(米国)の無料アプリチャートで、聞き慣れないアプリ「Zynn」が現在1位となっていますが、このアプリの正体はいったい何なのでしょうか?

    積極的な報酬スキームでユーザー数を増やしている?

    5月初旬に配信開始となったばかりの「Zynn」は、機能的にはTikTokに非常に近い動画共有アプリです。TikTokは先月、全世界で20億ダウンロードを突破しましたが、公開されて間もないアプリがどのようにしてトップの座に上り詰めたのでしょうか?
     
    ベンチャーキャピタル企業Gelt VCのジェネラル・パートナー、ターナー・ノヴァク氏(@TurnerNovak)がZynnについて調査を試みた結果、意外な事実が明らかになってきました。
     
    ノヴァク氏によれば、Zynnは積極的な報酬スキームを実施しており、動画を視聴したり、友人を招待すると、報酬がもらえるとのことで、特に後者は報酬額が高いことがわかっています。
     
    Zynnのキャッシュは全額引き出せないようになっているため、アプリ内に残った報酬を換金するためにはさらに友人を招待せざるを得なくなるという状態に陥るようになっています。アプリ内のキャッシュは豊富な種類のギフトカードと交換可能で、Amazon、Appleなども協賛企業に含まれています。
     

    中国第2位の動画共有アプリが背後に?

    上記のような報酬スキームを採用するアプリは長く存続しないのが通例となっていますが、Zynnの背後にいる企業を調べた結果、アプリは今後もトップチャート入りし続ける可能性がある、とノヴァク氏は述べています。
     
    同氏の調査によると、ZynnのWebサイトはOwliiという企業が所有しているとのことです。Owliiは、中国ベンダーXiaomiの創業者で最高経営責任者のレイ・ジュン氏が立ち上げたSunwei Capitalから2016年に出資を受けています。当時のリードインベスターは、自動運転技術開発企業DiDiの最高執行責任者のシン・メン氏でした。
     


     
    最も興味深いのは、Zynnの母体のOwliiのWebサイトに、中国第2の動画共有アプリ「Kuaishou(快手)」のロゴが掲載されていることです。
     


     
    Kuaishouは、2019年12月にTencentから20億ドル(約2,156億円)を資本調達しており、TikTokを運営するByteDanceの最大のライバルとなっています。
     


     
    Zynnの報酬は、Kuaishouの関連企業のKwaiから支払われることが判明しており、すでにZynnとKuaishouとのつながりは証明済みとなっているため、Zynnは単なるTikTokの疑似アプリではなく、今後本格的に競合するライバルアプリとなる可能性があると指摘されています。
     
     
    Source:Mashable, Apple
    Photo:Zynn
    (lexi)

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    この記事を書いた人

    ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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