Bloombergのコラムニスト、今年の新しいiPhoneは2重の苦境に直面と指摘

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新しいiPhoneのリリースが遅れるとの報道を受けて、Bloombergのコラムニストのキム・テ氏は「新型コロナウイルスにより新しいiPhoneは、需要と生産の2つの面で大きな影響を受ける」と指摘しました。

依然としてハードウェアに依存する収益

同氏が指摘するところによれば、Appleは運営方針を徐々に変更し、サービスとサブスクリプションからの収益を重視していく考えですが、現時点でハードウェア販売収益への依存は払拭できていません。2019年10月〜12月期のAppleの収益の61%はiPhoneの売上によるもので、サービスやサブスクリプションによる収益は14%にとどまっています。

 

同氏は、今年発売が予定されているiPhoneはリリースが遅れるだろうと予想しています。というのも、新しいiPhoneは5Gに対応すると考えられており、組み立てや設計に大きな変更が生じるためです。こういった設計上の変更にはエンジニアとサプライヤー、組立工場間で複雑なコミュニケーションを取らなければならないからです。

 

会議アプリなどを利用したオンラインによるコミュニケーションでは、複雑な実機テストなどを行うことは難しく、生産に大きな影響が出るだろう、と同氏は見ています。

需要面での課題

こういった生産面での憂慮に加え、需要の面でも理想的とは言えない状況が生じています。新型コロナウイルスの影響で、経済的な不確定要素が増えており、どちらかというと贅沢品と見られがちなiPhoneは、購入者に敬遠される可能性があります。

 

近年ウォールストリートでは、iPhoneユーザーの機種変更スパンが伸びていることが問題となっており、一部のアナリストは、平均的な機種変更スパンが今後4年を超える可能性があるとも考えています。

 

AT&Tは、直近の四半期におけるスマホ買い替え率は過去最低を記録したと述べています。またVerizonは、15日までの4週間でスマホをアップグレードした同社の顧客は4割以上減少しました。

 

同氏は「仕事が不安定ならば、1,000ドル(約10万6,600円)を支払って新しいスマホを購入することはしないだろう」と述べています。

 
 
Source:Bloomberg Opinion via 経済日報
Photo:Apple
(david)

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