欧州通信大手、ユーザーの携帯位置情報を欧州委員会と共有

    コロナウイルス

    Apple Maps リクルーティング
     
    依然として拡大の勢いに衰えの見えない新型コロナウイルスの感染ですが、ヨーロッパでは感染拡大防止のため一歩踏み込んだ対策が取られるようです。

    アメリカでは議論中

    ヨーロッパの8つの大手携帯通信キャリア(ドイツテレコム、オレンジ、テレフォニカ、テレコムイタリア、テレノール、テリア、A1テレコムオーストリア、ボーダフォン)は、新型コロナウイルスのこれ以上の蔓延を食い止めるため顧客の位置情報を欧州委員会と共有することで合意しました。これで感染者のより正確な行動履歴を当局が把握できることになります。ただ位置情報は個人のプライバシーと密接に関わる情報であり、その取り扱いには十分な注意が必要とされます。
     
    コロナウイルス
     
    そのためアメリカではAppleを含むテック企業が政府と新型コロナウイルス対策を協議した席でも慎重に議論され、現時点で位置情報を当局と共有するという結論には至っていません。ただヨーロッパではさらに深刻な非常事態ということもあり、個人情報保護を徹底した上で位置情報の当局との共有が決断されたのでしょう。
     
    これでユーザーの携帯電話に記録された行動履歴から接触者を割り出すことができるようになり、また多くの感染者の情報を集めて分析することで感染場所の特定にも役に立つでしょう。さらにそうした場所に出入りした人に対して感染の危険性を警告することもできるかもしれません。位置情報は個人情報として保護されるべきですが、感染者の追跡という用途で貴重なデータであることも確かです。
     
    ちなみに今回収集された位置情報は暗号化され、この事態が収束したのちに破棄されるとされます。非常事態下での個人情報保護が世界各国でどう位置付けられるかは、新型コロナウイルスの蔓延が危惧される日本での位置情報の取り扱いにも影響を及ぼしうる問題でもあります。
     
     
    Source:AppleInsider
    (KAZ)

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