Huawei、成長の背後には最大8兆円に及ぶ中国政府の巨額支援か

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米企業に対して政府の許可がない取引を禁じる「エンティティ・リスト」入りしたHuaweiですが、大きく勢いが削がれた気配は今のところ見られません。しかし、多少の風が吹いてもビクともしないほどの巨大企業へとHuaweiが成長できたのには、中国政府の大規模な後押しがあるようです。

税制優遇、土地、補助金、銀行融資……

スマートフォン市場でシェア上位5社のうち、中国ベンダーが3社を占めています。コストパフォーマンスを武器に飛ぶ鳥を落とす勢いで成長してきた彼らの中でも、とりわけ市場で存在感を放っているのがHuaweiでしょう。市場シェアで長年2位を維持してきたAppleを追い抜き、2019年第3四半期(8月~10月)には更にその差を広げています。
 
しかし、Huaweiの好調ぶりには大きく中国政府が関係しているようです。Wall Street Journalは25日、中国政府から最大750億ドル(約8兆2,100億円)に及ぶ支援を受けて規模を拡大してきたことを報じました。
 
国営銀行による460億ドル(約5兆350億円)の融資や信用枠、250億ドル(2兆7,400億円)分の税制優遇のほか、補助金や土地の値引きに至るまで、Huaweiが得た支援は多岐に渡ります。
 
一方、HuaweiのライバルであるCiscoが2000年以降に米政府から得た融資や補助は、合計で4,450万ドル(約48億円)に留まっています。

ライバル企業とは比較にならない補助

日本でも“日の丸連合”と呼ばれたジャパンディスプレイ(JDI)に多額の税金が注ぎ込まれてきたように、企業が国の支援を受けることは珍しくありません。
 
Wall Street Journalの取材に対し、Huaweiは「小規模で微々たる」研究支援を受け取ったものの異例なことではなく、大半は他のテック企業も利用できるような税制優遇措置だと声明を発表しました。
 
しかし同メディアは、Huaweiが年次報告書で公表しているぶんだけでも、2008年以降に16億ドル(約1,750億円)の補助金を受け取っており、通信機器メーカーのシェアで2位につけるNokiaが得た額の17倍に及ぶと指摘しています。3位のEricssonに至っては、同期間に補助金を計上していません。
 
一連の支援がライバル企業に対して有利に立ち回る手助けとなったのは明らかで、2010年には欧州委員会が調査に乗り出し、Huaweiを含むモデム輸出業者が恩恵を得ていたことを明らかにしています。
 
米中貿易摩擦の緊張高まりや、米国によるHuaweiの海外市場からの締め出しを思えば、中国政府がこうした大規模支援を今後控えめにするとは考えにくく、ライバル企業にとっては当分やきもきする状況が続きそうです。
 
 
Source:WSJ
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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