iPhone12が5G対応することでAppleの株価はどうなる?
iPhone12は5Gに対応すると予測されていますが、iPhoneの収益押し上げには繋がりにくいものの、需要は期待できるとする見方が登場しています。
引き続き一強状態のApple
2019年第3四半期(7月〜9月)で、Appleは世界スマートフォン市場において、業界利益全体の66%を占めたことが明らかになりました(調査会社Counterpoint調べ)。
iPhoneの販売台数はこのところ頭打ち傾向が続いていますが、Apple TV+やApple Arcadeといったサービス部門との連携で、引き続き業界の利益を牽引していくと考えられます。また、iPhone11シリーズを前モデルよりも値下げし、iPhoneの平均販売価格(ASP:Average Selling Price)が下がったことで、中国のスマートフォンメーカーは厳しい戦いを強いられることになる、とCounterpointは予測しています。
iPhoneの収益押し上げ効果は薄い
また、iPhone12は5G対応端末となるため、2020年はAppleにとって節目の年となりそうです。
ただし、5Gに対応すると製造コストが上昇するため、利益面での恩恵は限定的になるとCounterpointは考えています。投資会社Piper Jaffrayも同じ見方を示しています。
iPhone6が登場した2015年度は、iPhoneの収益が前年比で52%も上昇しましたが、iPhone12が登場する2021年度(2020年秋以降)は前年比で3%上昇に留まるだろう、とPiper Jaffrayは予測しています。
株価には好影響か
その一方で、Piper Jaffrayは株価に対して楽観的な予測を立てています。
理由は「5G対応iPhoneが1,200ドル(約13万円)ならアップグレードするか」とiPhone所有者に質問した結果、購入を前向きに検討すると回答したユーザーは全体の23%となり、6月の18%から上昇したためです。
これを受けて、同社はAppleの株価目標を290ドル(約31,720円)から305ドル(約33,370円)と上方修正しました。Appleの株価は執筆時点(12月23日終値)で、284ドル(31,070円)となっています。
なお、正確さに定評のあるアナリストのミンチー・クオ氏は、iPhone12が5G対応でも販売価格がほぼ据え置きになると予測しており、実際には1,200ドル以下となる可能性もあります。
Source:AppleInsider,CNBC via Market Realist
Photo:PhoneArena
(kihachi)