Appleでアクセシビリティ部門を総括するサラ・ヘルリンガー氏、自身のビジョンを語る


 
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は今年の始め、14億台のアクティブなAppleデバイスが世界中で使用されているという事実を明らかにしました。使われるデバイスが多ければ多いほど、より多様なニーズに応える必要性が出てきますが、アクセシビリティはその中でも最重要課題のひとつです。Appleでアクセシビリティ部門を総括するサラ・ヘルリンガー氏は、英日刊紙Evening Standardに自身のビジョンを語りました。

ユーザーからの貴重な意見を参考に

世界銀行のデータによれば、全世界の人口のうちおおよそ15%が何らかの障害を抱えているとのことです。Appleはアクセシビリティを最も重要な価値のひとつとして捉えており、誰もが最適の方法でデバイスを使用できるよう努めています。
 
「私達は、誰もが生産性のある社会の一員であって欲しいと願っています。. . . 誰もが平等に勝負の舞台に立ち、輝けるよう、テクノロジーを形作ることは本当に重要なことです」と、Appleのアクセシビリティ部門を束ねるヘルリンガー氏は語っています。
 
iOS13やmacOS Catalinaなどのソフトウェアや、iPadやApple Watchなどのハードウェアでは様々なアクセシビリティ機能を利用することができますが、機能の実装においてユーザーからのメッセージは非常に重要な役割を果たします。
 
Appleのアクセシビリティ部門のメールアドレス「accessibility@apple.com」には、日々多くのフィードバックが寄せられていることをヘルリンガー氏は明らかにしています。
 
「お客様から毎日質問やフィードバックのメールが送られてきます。お客様のメッセージには、バグの報告やその他にも色々な内容のものが含まれますが、様々な見識を与えてくれます」

ヘルリンガー氏はVoiceOverについても言及

ヘルリンガー氏は、アクセシビリティ機能の1つであるVoiceOverについても述べています。
 
「VoiceOverは、オペレーティングシステム内のあらゆる部分で機能するように作られています。写真撮影では、スクリーン上に何人の頭が映っているか、被写体がカメラの中心に来ているか、カメラを若干傾けるべきか、どのように動かせば良いかなどを教えてくれるため、よりバランスのとれた写真を撮ることができます」
 
VoiceOverは、視覚障害者のコミュニティから最も高く評価されており、米退役軍人省の13ある視覚障害者リハビリセンターでも70%の割合で使用されています。
 
Appleは、公式Webサイトにアクセシビリティ機能を紹介する特設ページを設けており、「視覚」「聴覚」「身体機能」「学習」のジャンルごとに利用方法を説明しています。
 
 
Source:Evening Standard via 9to5Mac
Photo:Apple
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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