企業秘密盗んだApple元エンジニア、ミサイルの資料も違法保有

    Apple Car コンセプト Freelancer

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    Appleの企業秘密を盗んだとして起訴された同社の元エンジニアが、その後の家宅捜索で国家機密とされるパトリオットミサイルの資料を保有していたことが判明しました。

    なぜエンジニアが国防ミサイルの機密資料を?

    問題となった元エンジニアのジージョン・チェン被告は、AppleProject Titanとして開発を進めている、自動運転車(Apple Car)のハードウェア開発チームに所属していました。しかし19年1月、同じく自動運転車を開発する中国のスタートアップ企業への転職を準備する傍ら、企業秘密を撮影したデータやマニュアルなどを個人所有のPCに無断でコピーしていたことが発覚しました。これらは転職先へ渡す予定だったと考えられます。
     
    Appleによる内部調査の結果を受け、FBIによる家宅捜索が行われました。ところが見つかったのは、Appleの機密資料だけではありませんでした。Bloombergによると、チェン被告はパトリオットミサイル(航空機を撃墜する対空ミサイル)の資料も所有していたそうです。資料は軍事企業Raytheonから流出したとされています。
     
    言わずもがな、米国の国防に大きく関わる極めて高度な機密文書であり、検察はチェン被告が「元勤務先から得た国家安全保障に関わる機密文書を違法に8年間余り保有していた」と指摘しています。なお、他にも元勤務先であるGEの機密資料も見つかったそうです。

    昨年も同様の事件があったばかり

    Appleの元従業員が機密情報の盗難で逮捕されるのは、今回が初めてではありません。
     
    昨年も今回とは別に、Project Titanに携わっていた元エンジニアが自動運転車の機密データを無断で持ち出し、中国の自動運転車開発企業に転職しようとする事件がありました。
     
    企業秘密の窃盗で有罪となれば、禁錮10年、罰金25万ドル(約2,700万円)の刑を言い渡される可能性がありますが、チェン被告の場合、国家機密まで不当所持していたとあっては、更なる厳刑が待ち受けていることは想像に難くありません。
     
     
    Source:Bloomberg,AFPBB
    Photo:Freelancer
    (kihachi)

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