国内MVNO契約数は前年比16.8%増、シェアは7.8%〜MM総研が発表

SIMカード iPhone
 
MM総研は、国内MVNO市場の2019年9月末時点での実績を発表しました。MVNO回線契約数は1,405万回線で、前年同期比16.8%増を記録しています。今後は、MVNOからキャリアへ転換する楽天の動向に注目が集まりそうです。

国内MVNO回線数は1,405万回線、前年同期比16.8%の伸び

MM総研によると、2019年9月末で、独立系MVNO事業者が独自の料金プランで提供する提供するサービス型SIMの国内回線契約数は、1,405万回線でした。
 
前年の2018年9月末と比較して、16.8%増加しており、5年前の2014年9月末からは約4.3倍に伸びています。
 

 

携帯契約数に対するMVNOのシェアは7.8%、伸びは鈍化傾向

2019年9月末時点のMVNOの契約回線数は、同時期の国内携帯電話契約数1億7936.6万回線に対して7.8%のシェアとなりました。
 
MVNOのシェアは上昇を続けているものの、2017年9月末以降の伸び率は鈍化傾向にあります。
 
MM総研は、2019年10月の電気通信事業法改正、消費増税を前に大手キャリア(MNO)で駆け込み需要が発生した影響で、MNOからMVNOへの流入は中期的に減速すると予想しています。
 

 

MVNOシェアトップ3は楽天、UQ、IIJ

2019年9月末時点のMVNO事業者別のシェアは、1位が楽天モバイル、2位がUQコミュニケーションズ(UQ mobile)、3位がインターネットイニシアティブ(IIJmio・BIC SIMなど)でした。
 
2018年9月末時点と比較して、楽天モバイルとUQコミュニケーションズの2社がシェアを拡大しています。
 

 
両社がシェアを伸ばした要因についてMM総研は、楽天モバイルは家電量販店などへの取扱店拡大、UQコミュニケーションズについては端末ラインアップの拡充とTVCMの強化、と分析しています。
 
MM総研はUQコミュニケーションズについて、UQ WiMAXとのセット割のほか、KDDIグループのメリットを活かしたau ID連携による囲い込みなどにより、さらに回線数を伸ばすだろう、としたうえで、キャリア傘下でない独立系MVNOは苦戦を強いられる状況が続くだろう、との見通しを示しています。

MVNO回線数、今後の伸びはIoT向けがメインに

MM総研は、2024年3月末時点での独自サービス型SIMの契約数を2,855万回線と予想しています。これは、2019年9月末のおよそ2倍にあたります。
 
しかし、楽天がキャリアに参入することで自社MNO回線への移行が進むことなどにより、10月以降はMVNOの個人向けスマホ用回線数の伸びはさらに鈍化すると見込まれています。
 
代わりに、IoT(Internet of Things)向けの需要が拡大することで、MVNO市場全体の成長につながると考えられ、2024年3月末時点でのIoT向け回線の比率は47.3%と半数弱を占める、とMM総研は予測しています。
 

 

10月の法改正と消費増税でモバイル市場は停滞、回復は2020年春以降か

2019年10月の電気通信事業法改正、消費増税前の駆け込み需要により、10月以降はモバイル市場全体が停滞しており、本格的な需要の回復は2020年春商戦以降になるだろう、とMM総研は予想しています。
 
楽天は、当初サービス開始予定だった2019年10月はユーザー数限定で試験的にサービスを開始するにとどまっており、本格的サービス開始が見込まれる2020年春以降に、どれだけユーザーを獲得できるかにより、市場に大きな変化がもたらされる可能性があります。
 
 
Source:MM総研
(hato)

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