ティム・クックCEOがカミングアウトしてから5年〜「少しも後悔したことはない」
Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)が、自身がゲイであることをカミングアウトしてから5年の月日が流れました。クックCEOは、カミングアウトのタイミングや、現在の心境について語りました。
自身もマイノリティであるゆえ共感できる
全米上位500社がその総収入に基づきランキングされる「Fortune 500」企業のCEOとして、初めてセクシャルマイノリティであることをカミングアウトしたAppleのクックCEOが、スペイン語の米雑誌People en Españolのインタビューに答えました。
クックCEOは2014年に執筆した随筆の中で「自分のセクシュアリティを否定したことは一度もないが、今までカミングアウトもしてこなかった。ここではっきりと言おう、私はゲイであることを誇りに思っているし、ゲイであることは神様がくれたものの中で最も素晴らしいものの一つだ」と述べています。
「これには多くの意味がある」とクックCEOは当時を振り返りコメントしました。「一つ目は、私がゲイであるのは神が決めたことであり、私の意思ではないということ。二つ目は、あくまで個人的な意見だが、少なくとも私自身についていえば、ゲイやトランスジェンダー、すなわちマイノリティであるがゆえに、共感する力が人並み以上あるということだ。実際にマイノリティであることと、頭で考えてマイノリティであることを理解するのでは、まったく異なる」
カミングアウトを決心するまでに1年間を要した
クックCEOは自身がゲイだとカミングアウトするのに約1年間かかったといいます。どのように伝えるか、どのタイミングで発表するかを入念に考える必要があったからです。Appleの取締役会はこのプロセスを全面的にサポートしてくれた、とクックCEOは語っています。
カミングアウトしたときに、Apple従業員から支持を得ることができるかについては全く心配しなかったと語るクックCEOですが、Apple社外の反応については憂慮していたことを明らかにしています。世界にはいまだゲイやトランスジェンダーの人々に対して理解のない国々があり、アメリカ国内でもゲイやトランスジェンダーである場合、会社から解雇されかねない州が半数近くあるためです。
クックCEOは、米ニュースチャンネルCNNのアンカーマンで2012年にカミングアウトしたアンダーソン・クーパー氏にもアドバイスを求めたとされています。
クックCEOは、現在ではサンフランシスコ「プライド・パレード」に参加するなど、レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー(LGBT)文化を積極的に支援しています。
Source:People en Español via AppleInsider
Photo:Apple
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