Apple、マサイ族が住むケニアの牧草地の復元に乗り出す


 
ケニアのチュールヒルズは、2つの国立公園に挟まれた広大な象の生息地として知られていますが、昨今、土地の劣化問題が起こっています。Appleは気候変動に取り組むため、現地での環境保全活動に出資していることが明らかになりました。

牧草地の復元で効率の良い二酸化炭素の貯留が可能

Appleは、国際NGOのConservation Internationalと協力し、ケニアの牧草地の復元事業を行っている、と米メディアFast Companyが伝えています。
 
「チュールヒルズの数万ヘクタールの牧草地を復元することで、空気中から二酸化炭素を取り除き、象のための重要な緑の回廊を守り、マサイ族の人々の生活を支援することができる」と、Appleで環境・政策・社会イニシアチブ担当副社長を務めるリサ・ジャクソン氏はコメントしています。
 
チュールヒルズの麓(ふもと)の牧草地は、大量の二酸化炭素を貯留できる可能性を持っていますが、土地の濫用により荒廃が進んでいます。

社会的なアプローチをとるApple

これまでの牧草地の復元プロジェクトでは、直接荒れた土地に草木が植えられてきましたが、Appleはマサイ族の人々に草生が維持される輸換放牧(りんかんほうぼく)を薦めることで牧草地の復元を目指すという、社会的なアプローチをとっています。
 
「直接草木を植えるのは非常にお金がかかる」と、Conservation Internationalのニコラ・アレクサンドレ氏は述べています。「地元コミュニティと協働することで、彼らの生活を向上させつつ、エコシステムを守る方法を模索できる。みんなにとってウィンウィン(Win-Win)の関係なんだ」
 
アレクサンドレ氏によれば、アフリカ大陸全体で9億ヘクタールの荒廃した土地があり、すべてを復元させることができれば、年間36億トンの炭素隔離につながるとのことです。この数字は何とヨーロッパ連合全体の年間の二酸化炭素排出量に相当します。
 
Appleは、中国のクリーンエネルギー基金で中国国内3カ所に新たに風力発電施設を建設したばかりです。
 
 
Source:Fast Company
Photo:Ninara/Flickr
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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