20万円のiPhoneが登場する日は近い?~消費者調査とAppleの戦略

    iPhone X 2020 Concept コンセプト ConceptsiPhone/YouTube

    iPhone X 2020 Concept コンセプト ConceptsiPhone/YouTube
     
    iPhoneは現在、最新モデルが1,000ドル(約10万円)前後で販売されています。しかし、消費者からの需要やAppleの販売戦略などから、将来的には2,000ドル(約20万円)のiPhoneも登場するかも知れません。

    10%が2,000ドルのiPhoneに意欲

    スマートフォンの販売価格は上昇傾向にあり、iPhone Xでは1,000ドル(正確には999ドル)の大台をついに突破しました。94%が「新しいスマートフォンの価格が高くなりすぎている」と回答したアンケートもあるように、価格の高さを嫌気する指摘も少なくありません。
     
    ところが、米国在住者10,250名を対象とした調査では、全体の10%が高価格帯モデルに2,000ドル(約20万円)、25%が1,800ドル(約18万円)を支払う用意があると回答していたことが分かりました。
     
    こうしたことから調査を手掛けたコンサルタント企業Simon-Kucherは、すでに一部の消費者が2,000ドルのiPhoneも視野に入れつつあるのではないか、と指摘します。
     
    2,000ドルでiPhoneを販売すれば、確かにiPhoneの販売台数は下がるかも知れません。しかし1,000ドルでiPhone Xが販売された際、2017年第4四半期(10月~12月)におけるiPhone売上高は、前年同期比で13%増の615億7,600万ドル(約6兆4,650億円)となりました。販売台数は1%減なのにもかかわらずです。

    「ハロー効果」に注目

    2018年に登場したiPhoneシリーズのうち、一番売れているのが廉価版のiPhone XRであるように、仮に1,800ドル~2,000ドルのiPhoneが登場したところで収益を牽引する可能性は低そうです。
     
    しかし、Simon-Kucherのアナリストであるマダヴァン・ラマヌジャム(Madhavan Ramanujam)氏は「ハロー効果」に注目します。ハロー効果とは、ある対象が際立った特徴を有していると、それに引きずられて他の特徴に対して正当な評価が下せなくなる認知バイアスを指しています。
     
    つまりiPhoneで言えば、高額なモデルが登場することで他の端末が安価に――実際には安価ではないにもかかわらず――見えてしまうというわけです。事実、廉価版扱いとなっているiPhone XRの販売価格は84,800円ですが、2016年にハイエンドモデルとして売り出されたiPhone7 Plusは72,800円でリリースされています。

    Apple Watch Editionは「天才的」

    ラマヌジャム氏は、Apple WatchでもAppleは同様の戦略を採ったと指摘します。2015年に登場したApple Watch Edition(第1世代)は、18K素材が使われたモデルで218万円の価格がつけられました。
     
    Apple Watch
     
    その後Editionは販売終了となったことで、ファッション性を前面に出すAppleの判断は誤っていたといった見方が主流を占めましたが、ラマヌジャム氏は「天才的だった」と絶賛します。「おかげで400ドル(約42,000円)のApple Watchが高額に見えなかったのだから」
     
     
    Source:Financial Times
    Photo:YouTube-ConceptsiPhone
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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