米国とポーランド、外国製5G通信機器のチェック強化で合意


 
米国とポーランドは、第5世代通信(5G)の導入に際し、外国製の5G通信機器にスパイウェアなどが仕掛けられていないかどうかを厳重にチェックすることで、協定を結びました。「外国製」としているものの、中国、特にHuaweiをターゲットとしているのは明白です。

米副大統領とポーランド大統領が合意

マイク・ペンス米副大統領とアンジェイ・ドゥダ ポーランド大統領は現地時間9月2日、ポーランド国内において5G通信機器を購入する際のガイドラインを厳しくし、外国政府の影響を受けていないかどうかを厳密にチェックすることで合意しました。

同盟国にHuaweiとZTE締め出しを要求

米政府は以前より、Huaweiは中国政府および共産党の監視下にあり、同政府の要求に従わざるを得ないと主張しています。米政府関連機関において、Huaweiおよび同じく中国企業であるZTE製の通信機器を排除するとともに、オーストラリア日本などの同盟関係にある国々に対しても、5Gインフラから両社を締め出すよう求めてきました。
 
しかし5G通信技術においてHuaweiは1年以上も他社に先んじていると言われており、欧州の多くの国々は5GインフラからのHuawei締め出しに対しては消極的です。

Huawei役員がスパイ容疑で逮捕

ポーランドのスマートフォン市場においても、Huaweiは2018年の時点で30%のシェアを持ち、大きな存在感を示しています。
 
ところが今年1月、ワルシャワにあるHuaweiのポーランド本社で、中国人の同社役員とポーランド人の警備員がスパイ容疑で逮捕されるという事件が発生しました。警備員はのちに釈放されたのの、役員は現在も拘留中です。
 
Huaweiは役員を解雇、会社としての関与は否定しています。
 
ドゥダ大統領はペンス副大統領との記者会見で同事件について質問され、「こうした行動が見つかったということは、実際にスパイ行為に加担していると見られても仕方がない」と答えています。

 
 
Source:Reuters,The Wall Street Journal
Photo:Twitter/Vice President Mike Pence
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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