Apple、「特許侵害知りながらSiriリリース」として訴えられる

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    音声を用いてデータを閲覧する特許を、Appleが提供するAIアシスタントのSiriが侵害しているとして、 Parus HoldingsがAppleに対して訴訟を起こしました。ParusはGoogleやSamsung、LGも同様に訴えています。

    特許の内容はSiriに類似

    Parusは米テキサス州の地方裁判所に対し、同社が2006年と2016年に取得した特許「堅固な音声ブラウザシステム及び音声起動デバイスコントローラ」が侵害されているとして、Appleへの訴えを起こしました。Parusは、2015年に登場したiPhone6s以降の全モデルとiPad ProやMacの一部モデル、全“Apple iWatch”、CarPlayなどを対象にしています。
     
    問題となっている特許では「ネットワーク上で複数のソースから情報を取得するためのシステム」として、音声を通してブラウジングする仕組みが述べられており、デバイスに向かってユーザーが質問することで目的の情報を引き出すAIアシスタントのSiriとの関連性がうかがえます。また今回の訴訟では、AppleがParusの特許を知っていながらも、存在を無視して特許侵害を行ったことも指摘されています。
     
    なお、GoogleやSamsung、LGなど音声ベースのAIアシスタントを開発するApple以外の企業に対しても、Parusは同様の訴訟を展開しています。

    実態はあるのか、ないのか

    Parusの公式Webサイト上には「ParusSpeak」「ParusOne」といったサービスが紹介されていますが、特許を有していながらも実際には製品をリリースしていない「特許不実施主体(NPE:Non-Practicing Entity)」と考えられています。
     
    実際、サイト画像の大半はネットで公開されている写真素材、公式Twitterも1月にツイートが1回あったのみ、所在地も複数企業が居を構えるオフィスと、一連の訴訟のために見かけだけ装ったようにも見えます。
     
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    その一方で、企業自体は1997年から存在し、ビジネス向けSNSのLinkdInでも従業員の存在が複数確認できるなど、特許使用料や賠償金獲得を目的に急ごしらえで作られたダミー企業というわけではなく、一概に「パテント・トロール」とも言えないようです。
     
    Parusの件に限らず、これまでにもSiriはAppleが提供するサービスの中でもとりわけ多くの訴訟に晒されており、最近でもSpeakWareやCustomPlayといった企業が立て続けに特許侵害を訴えています。また過去には、中国企業米大学からも訴訟を受けています。
     
     
    Source:AppleInsider,Parus
    (kihachi)

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    この記事を書いた人

    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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