ジョブズ氏は「クックCEOは製品を作る側の人間ではない」と語っていた


 
伝記「スティーブ・ジョブズ」(2011年刊行)の執筆で知られるウォルター・アイザックソン氏が米CNBCのインタビューにおいて、故スティーブ・ジョブズ氏がティム・クック最高経営責任者(CEO)のことを、時に批判的に語っていたことを明かしました。

「ティムは製品を作る側の人間ではない」

クックCEOを自分の後任に選んだのはジョブズ氏であり、全面的な信頼を寄せていました。しかしその一方で、不満もあったようです。
 
アイザックソン氏はCNBCに対し「本では少し表現を抑えて書いた。少々きつすぎると思ったからだ。本の中では、『スティーブはティム・クックがいかに何でもこなせるかを語ったあとで、私を見てこういった。「ティムは製品を作る側の人間ではない」と』と書いた」と述べ、次のように続けています。
 

スティーブは痛みで苦しんでいる時、そして腹を立てている時には、(クック氏は)製品を作る側の人間(product person)ではないといい、さらに批判めいたことを口にする場面もあった。

 
アイザックソン氏の伝記は、ジョブズ氏が56歳でこの世を去った19日後の、2011年10月24日に出版されています。
 

ジョブズ氏とアイブ氏を失ったことは大きい

アイザックソン氏はまた、先日年内でのApple退社と独立を発表したジョナサン・アイブ氏と、ジョブズ氏との関係についても語っています。
 

ジョブズがクパチーノのオフィスにいる時は、日中はいつもデザインスタジオにこもっていた。スタジオの大きなドアには鍵がかかっていて、ジョブズが中にいる時は誰も入れなかった。またジョニー(アイブ氏)と顔を突き合わせて話し合っていた。電話よりも直接話すほうが好きだったようだ。ジョブズは本質的に製品を作る側の人間だった。

 
さらにアイザックソン氏は、今はAppleはうまく機能しているものの、美しい製品を生み出すことに夢中だった2人の人間(ジョブズ氏とアイブ氏)を失ったことは大きい、とも述べています。

 
 
Source:CNBC
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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