Apple News+からの収益は事前説明の20分の1?
Appleが3月のスペシャルイベントで発表した雑誌、新聞記事の定額読み放題サービス「Apple News+」が当初の想定ほどは上手くいっていないようです。複数の出版関係者がネットメディアの取材に応えて判明したのですが、Apple News+は収益性に問題があるようです。
説明の20分の1
AppleはApple News+を始めるにあたり、コンテンツとなる雑誌、新聞を集めるために各出版社にその収益性についても説明を行なっていたようです。おそらく大勢のiPhone、iPadユーザーに記事を読んでもらうことが可能になるため、単独でネットで記事を配信するよりも多くの収益が得られると説明していたのでしょう。
しかしBusiness Insiderの取材に応えたある出版社は、現在Apple News+で得られている収益はその説明時に例示された収益の20分の1しかないことを明らかにしました。また別の出版社はApple News+の母体となったTexture時代から記事を配信していたようですが、収益面でApple News+とTextureに大きな変化がないとしています。
未完のサービス、将来に期待
出版社が当初想定していたような収益を得られていない原因はいくつか考えられます。会員数が少ないことも大きな原因になっているのでしょう。サービス開始から48時間で20万人の無料体験ユーザーを集めることに成功したと報じられましたが、この会員を有料会員へと引き継ぐことができなかったのかもしれません。
また読者が好む記事をピックアップする機能、読者の興味にマッチするメディアを紹介する機能が上手く機能していない可能性もあります。結果的に読者は毎日同じ新聞の記事を読み、毎週同じ雑誌の記事を読んでいるのかもしれません。そうなればApple News+の収益分配が特定のメディアに偏り、出版社全体にこのサービスに参加した恩恵が広がりません。
Apple News+はまだ始まったばかりのサービスであり、Appleも出版社と協議して改善を目指してはいるようです。取材に応えた出版社も現状には不満はあるものの、未完のサービスとして将来的な発展に期待しているようです。
Source:MacRumors
(KAZ)