ジョナサン・アイブ氏のApple退社は予測済みだった?週2日しか出勤しないときも
Appleで最高デザイン責任者を務めるジョナサン・アイブ氏が、2019年内にAppleを退社することが明らかになりましたが、米メディアBloombergがAppleの内部事情に関して報じており、アイブ氏の退社はすでに予測されていたことが判明しました。
「ひどく、ひどく疲れた」
Appleは現地時間の6月27日、アイブ氏が今年後半にAppleを退社し、独立したデザイン会社を立ち上げることを発表しました。
アイブ氏のApple退社は青天の霹靂のように思えますが、Bloombergの報道によれば、すでに2015年のApple Watchの発売以降からアイブ氏は仕事量を減らしていたことがわかっています。
内部事情に詳しい人物によると、アイブ氏はそれまでAppleのデザインチームを日々監督していたとされていますが、2015年の4月以降は本社に週2日しか出勤しないときもあったとのことです。
その当時、アイブ氏は米雑誌New Yorkerに「ひどく、ひどく疲れた」と語っており、Apple Watchを製品として発表するまでのプロセスが、Appleに入社してから最も難しいものであったことを明らかにしています。
New Yorkerのインタビューから3カ月後、アイブ氏はAppleの最高デザイン責任者に就任しました。ハードウェアとソフトウェアのデザインチームを率いていた立場から、アラン・ダイ氏とリチャード・ホワース氏の2人の役員を監督する業務に切り替わったのです。
2017年に再びデザインチームを統括
その2年後の2017年末、アイブ氏は再びAppleのデザインチームを統括することになりましたが、それでも週2日の出勤体制は変わらなかったようです。
ミーティングの多くがサンフランシスコに移動されることで、アイブ氏は居住するサンフランシスコの高級住宅街パシフィック・ハイツからAppleの本社があるクパチーノまでの長い通勤を避けることができたとされています。アイブ氏は従業員の自宅、ホテルや、その他の場所でチームと会合を行っていました。アイブ氏は、サンフランシスコにオフィスとスタジオも構え、多くの仕事をそこで行っていたともいわれています。
また、生まれ育ったイギリス・ロンドンを頻繁に訪れており、Appleの新製品発表イベントに出席しないことも多々ありました。数年前には考えられなかったことです。
「彼(アイブ氏)は、Appleに25年以上も務めている。ひどく骨の折れる仕事だ。Appleでの25年間は彼にとって非常に緊迫したものだった。速度を落とすのも無理ない」と匿名の情報提供者はコメントしています。
Source:Bloomberg via 9to5Mac
Photo:Global X/Flickr
(lexi)