iPadの発火で男性が死亡したとして米保険会社がAppleを訴える

iFixit 第5世代 iPad mini 5 分解

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米在住の男性が自宅で死亡した事件で、アパート管理会社と保険会社が共同でAppleを訴えました。死亡の原因がiPadの発火にあるとされたためです。

発火はiPad一般の問題?

米ニュージャージー州で2017年2月、男性が自宅からの出火が原因で死亡した事件で、アパート管理会社と補償を担当する保険会社がAppleに対して訴訟を起こしました。
 
公開された訴状では、出火の原因がiPadにあるとされているばかりか、死亡した男性の所有していたものだけでなく、そもそもiPadが一般に「タブレットとして適切に使用していても、危険性を備えており、発火する可能性を有して」いることが問題視されています。つまり、出火の原因がiPadの持つ本来的な欠陥である以上、そのような「超危険的なメカニズム」を採用したAppleの責任が問われるべきだ、というわけです。

リチウムイオン電池が持つ欠点

ここで問題となっているメカニズムとは、リチウムイオン電池のことです。スマートフォンを始めとした多くの電子デバイスに採用されているリチウムイオン電池は、同じく蓄電池のニッケル水素電池に比べて寿命が長いとされていますが、その一方で衝撃や経年劣化などで発火する欠点も備えています。
 
大規模なリコール騒動となったSamsungのGalaxy Note7でも、パーツを詰め込みすぎてリチウムイオン電池に不要な圧力がかかり、バッテリーが膨張し爆発に繋がったのではないか、とする指摘がありました(公式発表では絶縁体の不備がバッテリー爆発の原因とされている)。
 
Appleも最近、MacBook Proが発火する動画が拡散された1カ月後、該当モデル(Retina, 15-inch, Mid 2015)について「バッテリーが加熱する問題が発生している」として、バッテリーの自主回収と無償交換を行うと発表したばかりです。
 
今回の事件についてAppleがどのような対応を行うかは不明ですが、裁判ではリチウムイオン電池の性質に対し、Appleが責任を負うべきなのかが焦点となりそうです。
 
 
Source:The Register via iPhone Hacks,訴状(PDF)
Photo:iFixit
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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