19年の世界スマートフォン市場、米中貿易摩擦で落ち込み加速か

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    飽和が指摘されて久しいスマートフォン市場ですが、高まる政治リスクも出荷台数の落ち込みに関係しているようです。調査企業TrendForceによると、2019年の世界スマートフォン出荷台数は米中貿易摩擦などを背景にして、対前年比で7%ほどの減少が見込まれています。

    2年連続で出荷台数減少か

    TrendForceは2019年における世界のスマートフォン出荷台数を約14億台と見積もるとともに、前年比で5%減との従来予測を下方修正し、7%の落ち込みとなる可能性があるとしました。2018年に続いて2年連続の減少となる見込みです。
     
    ランキング上位の顔ぶれはシェアの大きい順に、Samsung、HuaweiApple、OPPO、Xiaomi、Vivoと変わらないものの、米中貿易摩擦がスマートフォンの需要減を引き起こすとともに、HuaweiAppleのシェア争いを激化させるだろう、とTrendForceは見込んでいます。

    Huawei締め出しでAppleも痛手を負う

    貿易戦争は米中二国間の問題にも思えますが、米国の制裁によってGoogleの提供するAndroid OSやGoogle Playストアが今後発売するHuawei端末で利用できなくなるなど、影響は世界中に及びます。
     
    Huaweiについて言えば、ヨーロッパや南アフリカといった市場でライバルのSamsungにシェアを奪われることになる、とTrendForceは推測しています(これを受けてSamsungの出荷台数見通しを引き上げ)。
     
    またAppleについても、中国市場でのiPhoneの売り上げパフォーマンスを大きく損なうとTrendForceは予測、同国におけるiPhoneのシェアを従来の7%から5%へと下方修正しています。同様に出荷台数も、1億9,000万台から1億8,300万台へと引き下げています。一方で中国市場において、Huaweiが受ける影響は限定的とみています。
     
    なお、調査企業IDCや投資銀行JP Morganも「Huaweiの国際市場からの締め出しで中国におけるiPhoneのシェアが更に減少するだろう」と、TrendForceと同様の観測を行っています。
     
     
    Source:TrendForce
    (kihachi)

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    丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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