中古スマホに関する日米のユーザー意識調査、MMD研究所が発表

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MMD研究所とオークネット総合研究所が共同で実施した「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」の結果が発表されました。中古端末の購入率は、日本は4.9%でアメリカの半分以下でした。日本では端末の売却に「個人情報流出」への抵抗感が大きいこともわかります。
 
MMD研究所は、第二弾として日米の意識の違いに焦点を当てた報告も行うと予告しています。

日米の携帯・スマホユーザー各1,000人強に意識調査

「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」は、2019年3月22日~4月9日の期間、15歳から69歳の男女を対象としてインターネットで実施されました。
 
日本では1,010人、アメリカでは1,111人から有効回答を得ています。
 
所有している携帯電話のうち、スマートフォン所有率は日本が83.4%、アメリカが94.1%で、アメリカが10.7%高くなっています。
 
2018年と2019年の結果を比較すると、iPhone所有率が日本では3.9ポイント減、アメリカでは13.7ポイント減、Android所有率が日本で9.0ポイント増、アメリカでは15.5ポイント増となっています。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

中古端末購入率、日本は4.9%、アメリカは10.8%

利用している端末の購入・入手方法は、「新品端末」が日本93.1%、アメリカ79.6%と、最も高くなっています。
 
中古端末」(修理・整備品を含む)は、日本は4.9%、アメリカは10.8%と、アメリカの方が高くなっています。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 
日本における携帯電話購入状況の2016年4月からの推移を見ると、「新品端末」が2016年4月の97.0%から2019年4月の93.1%へと微減した一方、「中古端末」は1.8%から4.9%へと、じわじわと増加傾向にあります。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

古い端末の処分方法、「自宅保管」が日米ともにトップ

以前使っていた端末の処分方法は、「自宅保管」が日本60.8%、アメリカ46.5%でトップ、2番目は「キャリアの下取り」が日本19.1%、アメリカ16.5%という並びは共通でした。
 
日本のユーザーは、古い端末を自宅で保管する割合がアメリカよりも高い傾向が見られます。
 
「家族・友人に譲った」がアメリカで14.1%と、日本の1.8%より高いのも目立ちます。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

日本で「買取店への売却」が増加傾向

日本のユーザーに、以前使っていた端末の処分方法を聞いた結果を時系列で比較したのが以下のグラフです。
 
「自宅保管」はほぼ横ばい、「キャリアの下取り」が減少傾向、「携帯電話買取店へ売却」が緩やかな増加傾向にあります。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

端末売却の理由、「データ消去の安心感」はアメリカで高い

以前使っていた端末を「売却した」人に、その理由として「処分した際に得られる金額が高いから」「処分が簡単だから」「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」の3つの理由が当てはまるかを尋ねた結果が以下のグラフです。
 
あてはまる、ややあてはまるの合計は、「得られる金額が高いから」は日本62.0%、アメリカ33.8%、「処分が簡単だから」は日本75.2%、アメリカ66.5%と、ともに日本が高くなっています。
 
一方、「きちんとデータが消去されて安心だと思ったから」は日本60.5%、アメリカ75.1%と、アメリカの方が高くなっています。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

自宅保管の理由、日本「個人情報が心配」、米「いつか使うかも」

使わなくなった端末を「自宅で保管している」回答者にその理由を聞いたところ、日本では「個人情報の流出が心配で手放せない」が29.4%でトップ、アメリカでは「いつか使うかもしれないから(譲る予定を含む)」が30.2%でトップとなっています。
 
「特に理由はないが、なんとなく持っている」は、日本22.8%、アメリカ6.8%と差が開いています。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

中古端末への期待、日本「しっかり動作確認」、米「すぐ使える」

中古端末に期待することを聞いたところ、日本では「しっかり動作確認されている」29.3%、「きれいにクリーニングされている」25.7%、「バッテリーの消耗具合がわかる」20.7%がトップ3となりました。
 
アメリカでは、「購入後すぐ使える」が42.0%でトップ、以下「きれいにクリーニングされている」35.8%、「修理・修繕されている」31.0%と続いています。
 
「中古端末に期待することはない」は日本23.8%、アメリカ6.7%と日米差が大きくなっています。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

中古端末購入時の重視点、日米とも「バッテリーの持ち」

中古端末の購入者にその理由を聞いたところ、「新品より価格が安いから」が日本41.0%、アメリカ32.1%とともにトップなのは日米共通です。
 
2位になった項目は、日本は「欲しい製品が店頭で販売してないから」が12.8%、アメリカは「新機種の発売までの代替機として利用するため」が17.9%と、日米で傾向に違いがみられます。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 
中古端末購入者に、中古端末購入時に重視した点を聞いたところ、日本では「バッテリー持ち」と「端末の大きさ」がともに30.8%でトップ、以下「端末の傷や汚れ」25.6%、「デザインやカラー」23.1%などと続いています。
 
アメリカでは「バッテリー持ち」が38.5%でトップ、以下「端末の重さ」27.7%、「アプリなどの処理速度」26.2%がトップ3となっています。
 
「2019年日本とアメリカにおけるスマートフォン中古端末市場調査」
 

今後、拡大が見込まれる中古端末市場

調査結果について、モバイル研究家の木暮祐一氏は「様々な割引が行われてきた新品端末の販売が今後見直されることになっており、必然的に中古端末の需要は高まる」と、中古端末市場には拡大のポテンシャルがあるとコメントしています。
 
また、中古端末流通の業界団体リユースモバイル・ジャパンが中古端末に対する認知・理解の促進や信頼性の向上のため「リユースモバイルガイドライン」を公開したことに触れ、ユーザーにわかりやすい情報提供が中古端末購入への安心感につながるだろう、と指摘しています。

 
 
Source:MMD研究所
(hato)

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