iPhoneにもディスプレイ埋め込み指紋認証が搭載?Qualcommとの和解が鍵

QualcommとAppleの和解によって、今年登場のiPhoneは5Gに対応する可能性が大きく高まりましたが、指紋認証機能の見直しにも注目が集まっています。
Qualcommが持つ複数の強み
AppleとQualcommとの電撃和解は大きな驚きをもって受け止められましたが、Intelのスマートフォン向け5G対応モデム開発に遅れが生じている(最終的に撤退を発表)ために、仕方なく技術力で先行するQualcommとの和解に至ったとされています。70億ドル(約7,840億円)に上るとされるロイヤリティを支払ってでも、Qualcommの技術を採用したいと考えたAppleの意図が伝わってきます。
しかし、Qualcommとの和解でAppleが得たのは5Gモデムだけではありません。ディスプレイ内に埋め込む超音波式の指紋認証についてもQualcommは高い技術力を持っています。このタイプの指紋認証機能は、SamsungがフラッグシップモデルのGalaxy S10シリーズなどに採用しており、Appleとしても見過ごすことはできないはずです。
サプライヤー事情に詳しい経済日報は「5G領域以外でも、AppleとQualcommは超音波型のディスプレイ下指紋認証で話し合っているとされている」と報じ、業界関係者の「Samsungのディスプレイ指紋認証が成功することで、ますます多くのスマートフォンがこの技術を導入するだろう」という指摘を紹介しています。
Face IDはどうなる?
ディスプレイ下に埋め込むタイプの指紋認証を採用するということは、せっかくiPhone Xより採り入れた顔認証(Face ID)を切り捨てることを意味します。
確かに、Face IDはうまく認証されないという指摘も良く聞かれるため、Appleが見直しを考えていても不思議はないでしょう。しかし、Appleは「Touch IDのディスプレイ内埋め込みを諦めてFace IDを採用したのではない」と強調し、あくまでもTouch IDから進化した次世代セキュリティ認証としてアピールしてきた経緯があります。
とはいえ超音波指紋認証は、指が濡れていても認識可能、250ミリ秒(0.25秒)で認識し、認証失敗率(rejection rate)は最大1%と高い性能を誇っており、従来の指紋認証とは比べ物になりません。難があるとすれば、盗み取った指紋を3Dプリンターで簡単に再現できてしまう点ですが、こうした問題をAppleがどう解決するかが鍵となってくるでしょう。
Source:経済日報,Gizmochina
(kihachi)