Spotify、著作権使用料引き上げ反対でApple Musicに負ける?
現在、音楽ストリーミングサービスで世界最大の利用者数を誇るSpotifyですが、著作権使用料を引き下げようとする努力が裏目に出て、アーティストからの反感を買っています。エンターテインメント系メディアVarietyは、著作権使用料を巡る争いでの勝者はAppleだと指摘しています。
Appleのみ著作権使用料値上げに反対せず
著作権使用料委員会(Copyright Royalty Board、CRB)は2018年、作詞・作曲者に対する著作権使用料を、今後5年間で44%引き上げる決断を下しました。この決定に対し、音楽ストリーミングサービスを提供するSpotify、Amazon、Google、SiriusXM/Pandoraは、決定を再考するよう同委員会に申し出ていますが、この行動がアーティストらから批判を浴びています。
音楽ストリーミングサービス大手で、著作権使用料引き上げに不服を申し立てなかったのは、Appleのみでした。
広がる#CancelSpotifyの動き
Spotifyは先月、Appleを独占禁止法違反で欧州委員会に提訴しましたが、同社のほうがむしろ現在危うい立場にあると、Varietyは記しています。
多くの作詞・作曲者、アーティストらは、Spotifyの著作権使用料値上げ反対に異議を唱え、さまざまなソーシャルメディアで#CancelSpotifyのタグを広めています。
どちらに転んでもAppleは得をする
Varietyはまた、今回の件がどちらに転んでもAppleは得をすると指摘します。著作権使用料がこのまま引き上げられれば、Spotifyらに反発したアーティストたちの信頼を勝ち取れるだけでなく、Apple Musicのユーザー数増にもつながります(一部アーティストがSpotifyでは楽曲を配信しないと明言しているため)。逆にSpotify、Google、Amazonらの主張どおり値上げされなければ、Appleの著作権料支払いも増えないからです。
Apple Musicは米国内の有料会員登録者数で、ついにSpotifyを超えたことが、先日のThe Wall Street Journalの報道により明らかになっています。