Apple、「修理する権利」に歩み寄り!?内部文書から明らかに
Appleの内部文書から、同社が2018年4月より一部の修理業者に対し、Appleの診断用ソフトウェア、純正部品、正規の修理トレーニングなどを提供していることがわかりました。同文書を入手した米メディアMotherboardが伝えています。
20州で「修理する権利」法律化の動き
ユーザーやサードパーティーがiPhoneやMacなどのApple製品を修理することに対し、Appleは長らく反対の姿勢を示してきました。
しかし米国内では「修理する権利(Right to Repair)」を求める声が強まるとともに、多くの州で「修理する権利」を法律化する動きが高まっています。同権利の法律成立を目指す団体Repair.orgによれば現時点で、20州で法案が議会に提出されています。
Appleはこれまで同法案に反対し、積極的なロビー活動を行ってきました。
一部修理業者にすべての修理を認める
しかし「Apple Genuine Parts Repair」と題されたAppleの内部文書には、独立系の修理業者がAppleの診断用ソフトウェア、さまざまな純正部品、修理トレーニングを利用可能であり、またどんな修理でも行うことができると記されていたとのことです。
また文書には、上記の対象として「3,700以上のApple正規サービスプロバイダ」と、4つの修理チェーン店、Mobile Kangaroo(本社米カリフォルニア州)、AA Mac(同イギリス) 、Simply Mac(同米ユタ州ソルトレイクシティ)、Makina Technologies(同ドバイ)の写真が掲載されていました。
MotherboardがMobile Kangarooに問い合わせたところ、最近Appleから「プレミアムステータス」の許可を得た、との返答が得られたものの、詳しい内容についての説明はなかったそうです。
「修理する権利」法に対処
文書で説明されている「Apple Genuine Parts Repair」プログラムの内容は、Appleが以前から実施している「Authorized Service Provider」プログラムとは異なります。これまでのプログラムでは正規サービス・プロバイダはAppleが許可した、特定の修理しか行うことができないからです。難易度の高い修理についてはAppleに本体を郵送する必要があり、実質、画面とバッテリーの交換しか行えないのが実情です。
Appleが一部修理業者に、画面とバッテリー交換以外の修理も認めるようになったのは、前述の「修理する権利」法に対処するためでしょう。とはいえ、あくまで一部の、大手修理業者のみが対象であり、すべての修理業者およびユーザーの、修理する権利を認めるものではありません。
Source:Motherboard,Repair.org
Photo:iFixit
(lunatic)