NY州政府、FBへ個人データ送信していたiOSアプリの捜査に乗り出す
iOSとAndroidの人気アプリが、体重や生理周期といった個人データをユーザーに断りなくFacebookに送信していた件で、ニューヨーク州政府が捜査に乗り出しました。
NY州金融監督局が捜査開始
ニューヨーク州金融監督局が、Facebookおよび少なくとも11のアプリ開発者に対し、説明と情報提出を求めていることが、関係者の証言で明らかになったとThe Wall Street Journalが報じています。
同局からFacebookの最高経営責任者(CEO)であるマーク・ザッカーバーグ氏に送られた文書には、過去3年間にユーザーの個人データをFacebookに送信したモバイルアプリの開発企業すべてに関する情報、データが共有されたニューヨーク州住民の一覧および共有されたデータのカテゴリーについての情報を提出するよう、記されていた模様です。
またアプリ開発企業に対しては、Facebookとの契約書のコピーや、ユーザーのアプリ使用によりFacebookが支払っていたコミッションなどについての説明が求められたとのことです。なおこれら文書への返答期限は3月15日だと関係者は語っています。
「言語道断のプライバシーの侵害」
WSJがiOSおよびAndroidのアプリが、身長や体重、血圧、心拍数、生理周期、妊娠週数といった個人データを、ユーザーの許可なくFacebookと共有していると報じた数時間後に、ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏は捜査開始を命じました。
クオモ州知事はデータ共有について「言語道断のプライバシーの侵害」と述べ、連邦政府機関にも捜査協力を呼びかけています。
Facebookは昨年、最大8,700万人分もの個人情報をデータ分析コンサルティング会社Cambridge Analyticaに流出した件で、イギリスの政府機関から50万ポンド(約7,390万円)の罰金支払いを命じられました。同件については米連邦取引委員会(FTC)も現在捜査を行っています。このほか、アイルランド政府も同社のプライバシー侵害について取り調べ中です。
5つのアプリはFacebookへの個人データ送信を停止
WSJが先日、Facebookに個人データを送信していると報じた11のアプリは、Facebookが提供するソフトウェア開発キット(SDK)を使用しており、同SNSに心拍数や血圧などの個人データを送信していました。
WSJの報道後、11のアプリのうち少なくとも5つについては、FacebookのSDKを削除、または個人データの送信を停止しています。
Source:The Wall Street Journal
Photo:Pixabay
(lunatic)