裸眼視力が1.0未満の小学・高校生、過去最多に〜原因はスマホか

文部科学省の調べで、裸眼視力が1.0未満となった小学生と高校生の割合が過去最高となったことが分かりました。スマートフォンや携帯型ゲーム機の使用が原因ではないか、と見られています。
小学生と高校生で過去最高に
文部科学省の測定は、幼稚園児から高校生までを対象とした約342万人の健康調査にもとづいて行われました。その結果、裸眼視力が1.0未満の割合は小学生で34.10%、高校生が67.09%となり、それぞれ過去最高を記録しました。
結果を受けて、文部科学省は「専門家の意見では、スマートフォンや携帯型ゲーム機の使用によって、近くで画面を見る時間が増えていることが影響しているようだ」と述べています。こうした実情は、スマートフォンを所有している小学生が全体の35.5%(ゲーム機60.7%:BCN調べ)という高い割合とも関係があるでしょう。
ブルーライトは身体に悪影響
文部科学省がデータを掲載している「調査結果の概要」では、スマートフォンが視力低下を引き起こすメカニズムについて詳しく述べられていません。
しかし、ディスプレイから発せられるブルーライトが、網膜を始めとして身体に悪影響を及ぼすとする研究は存在し、最近も米トレド大学が「スマートフォンやパソコンを長時間使い続けると、失明が早まる恐れがある」とする論文を発表しています。
また、暗所での閲覧行為が視力低下の直接的な原因だとする見方は近年否定される傾向にありますが、2016年には英研究チームが「一過性スマホ失明」として、暗所でスマートフォンを片目でみることにより引き起こされる一時的な失明状態を医学誌に発表しているように、目にまったく物理的負担がないわけではないことには注意が必要です。
なお、過去にはスマートフォンのゲームに熱中して目を酷使した結果、「網膜中心動脈閉塞症」と呼ばれる症状にかかり失明したという女性の例もあります。
Source:時事通信,文部科学省,BCN,Forbes
Photo:Flickr-orangeacid
(kihachi)