Apple元CEOのスカリー氏「今のAppleはラグジュアリーブランドのよう」

    john sculley ジョン・スカリー フリー素材

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    iPhoneは出荷台数で15%ほどの市場シェアであるにもかかわらず、利益ベースのシェアでは90%を占めていることを思えば、ティム・クック最高経営責任者(CEO)の経営手腕を疑う理由はないでしょう。しかし、かつて同社のCEOを務めたジョン・スカリー氏に言わせれば、クック氏の業績はAppleを「ブランド企業」にしたことにあるそうです。

    LVMHやDiorのような企業に

    意外と知られていないことですが、ティム・クック氏は「2番目のCEO」ではなく、「6番目のCEO」です。AppleのCEOは、マイケル・スコット氏、マイク・マークラ氏、ジョン・スカリー氏、マイケル・スピンドラー氏、ギル・アメリオ氏、スティーブ・ジョブズ氏と変遷してきました。
     
    このうちの1人、ジョン・スカリー氏がYahoo Financeのインタビューでティム・クック氏時代のAppleを分析しました。スカリー氏によれば、クック氏は株主にとっては絶大な価値をもたらしたものの、「技術革新を最優先していない」とのこと。クック氏は「LVMHやDiorといったラグジュアリーブランドのようにAppleを位置づける」ことを優先してきたそうです。
     
    apple ジョン・スカリー インタビュー
     
    もちろん、スカリー氏はAppleが技術革新を行っていないとは述べていません。それどころか、新しい技術はそれが受け入れられるかどうかも含めて未知数であるため、あえてSamsungに12〜18カ月ほどの「遅れ」をとることは適切な戦略だと語ります。

    iPhone以降のヒット商品がなければ

    司会者の「Appleの最大の欠点は?」という質問に対し、スカリー氏は「今の所は顕在化していないが」と前置きしたうえで、「3〜5年後に出てくるだろう」と語ります。
     
    スカリー氏が懸念するのは、iPhone以降の製品が見えてこないことです。Appleが拡張現実(AR)に力を入れていることは疑いようのない事実ですが、一部で観測されているようなARデバイスが登場する気配は一向にありません。
     
    競争の激しいテクノロジー市場にあって、iPhoneに変わるものを打ち出すことができないと、いくらAppleとはいえ今のような勢いを続けることは難しいというわけです。
     
     
    Source:Yahoo Finance
    Photo:Flickr-Web Summit
    (kihachi)

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