TSMC、来年もiPhone向けチップを単独供給〜今後はMac、車向けチップも

a12bionic

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現在AppleのiPhone XS/XS Max/XR向けにA12 Bionicプロセッサを単独で供給する台湾のTSMCが、少なくとも今後数年間は、現在の独占供給体制を維持するだろうと著名アナリストが予測しています。

A13・A14チップはTSMCが独占的に供給

Apple関連の予想の的確さに定評のあるTF International Securitiesのアナリスト、ミンチー・クオ氏は投資家に配布したメモにおいて、Appleは今後、TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)への依存度をさらに高めるだろうと予想しています。その理由についてクオ氏は、TSMCの設計技術および生産能力が競合他社よりも優れていること、またSamsungなどと異なり、TSMCは他分野においてAppleと競合していないからだと説明しています。
 
そしてiPhoneについては、少なくとも2019年と2020年は、A13およびA14チップをTSMCが独占的に供給するだろうとの予想を明らかにしました。

Mac向けARMチップもTSMCが生産か

またクオ氏はMac向けにAppleが設計するARMベースのプロセッサの生産を、2020年か2021年にTSMCが開始するだろうとも予想しています。AppleがMacへも、Intel製ではなく自社開発のチップを搭載するとの噂は以前より報じられていますが、今回のクオ氏の予想はこれらと一致しています。
 
実際、MacBook ProのTouch Barに搭載されている「T1」チップは、Appleが独自開発したARMチップであり、AppleはすでにMac向けチップの開発に乗り出していると言ってもいいでしょう。

Apple Car向けチップ生産もTSMCに委託?

クオ氏はさらに、Appleが現在開発中の自動運転車(Apple Car)に搭載するチップについてもTSMCへの生産委託を検討しており、2023年から2025年には生産が開始される見通しだと述べています。
 
同氏によると、Apple CarのAdvanced Driver Assistance Systems (ADAS)はレベル4(高度自動化)またはレベル5(完全自動化)に対応する見込みで、レベル4/5の要件を満たすチップを生産可能なのは、TSMCの5ナノメートル(2020年量産開始予定)と3ナノメートル(2021〜2022年開始見込み)のみとのことです。
 
クオ氏は8月にも、Appleは2023年〜2025年の間に自動車を発売するとの予測を明らかにしています。

 
 
Source:MacRumors
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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