Appleが旧モデルの価格を下げたのはドングルの同梱をやめたから?

iPhone XS、XS Max、XRが先月発表され、旧モデルの価格が下げられましたが、ユーザーが忘れていることが1つあると米Forbesのエヴァン・スペンス氏は指摘します。それは、AppleがiPhoneに「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」を同梱しなくなったことです。スペンス氏によれば、Appleはデバイスの価格を下げたと見せかけてドングル(変換アダプタ)で元を取っているのではないかと憶測しています。
ワイヤレスヘッドホンが普及しなくても問題なし?
Forbesのスペンス氏は、AppleのLightning – 3.5mmヘッドホン変換アダプタの同梱の中止は、ユーザーをワイヤレスヘッドホンへと導く戦略であると見ています。
ユーザーが愛用してきたイヤホンを使いたくても、変換アダプタが同梱されていなければ、公式ストアからのドングル購入を迫られることになります。
ドングルをiPhoneに同梱しなければコスト削減に繋がるため、Appleにとってはどちらにしても利益が出ることになる、とスペンス氏は分析しています。
実際に、世界最大規模の家電量販店 Best Buyで最も売れているApple製品はドングルとAirPodsであることが今年の8月に明らかになっています。

2018年8月30日時点のiPhone7のパッケージ内容

2018年10月16日現在のパッケージ内容
Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタが取り払われています
同梱品の削減は過去にも
Appleが同梱品の削減を図るのはこれが最初ではありません。過去にはiPhoneのEarPodsはプラスチックのトラベルケースに収納されていましたが、今では単なる紙製のパッケージとなっています。

過去に同梱されていたEarPodsのケース
しかしながら同梱品の削減は、Appleが単により多くの利益を上げるというのが唯一の目的ではありません。
Appleが昨年発表した報告書には、iPhone7のパッケージのプラスチック使用量はiPhone6sを比べて84%少なくなっていることが記されています。加えて、iPhone7から石油系プラスチックの使用をやめ、繊維系物質のトレーへと切り替えられています。
ゆえに一概にAppleの同梱品の削減を非難することはできませんが、ドングルに関してのスペンス氏の疑問には納得できるところもあると思われます。
Source:Forbes, Apple/Wayback Machine, Apple
Photo:TechisGeek/YouTube
(lexi)