Apple、オーストラリアのiPhoneの暗号化解除をめぐる法案に正式に反対を表明
オーストラリア政府が昨年提出したとされる、iPhoneのiMessageなどの暗号化解除を命令できる法案ですが、今は暗号化を弱めるときではないとして、Appleが正式な反対を表明しました。
暗号化は強めても、決して弱めることはない
オーストラリア政府の「Assistance and Access Bill 2018(援助とアクセス法案2018)」が可決されると、政府機関に対し、暗号化を妨害し、”正当なアクセス”を求めることができる新たな権利が付与されることになります。
しかしながらAppleは法案には欠陥があると見ているようです。
「今は暗号化を弱めるときではない」とAppleは記した後、「犯罪者の仕事をより容易にしてしまうリスクがある。さらに強い暗号化こそが脅威を防ぐための最適な方法である」と、法案に反対する意思を表しました。
Appleはプライバシー保護の線は曲げない?
プライバシーの保護は、GoogleやFacebookなどの広告を収入源とする企業に対するAppleの新戦略になりつつあるともいわれており、暗号化解除を要求することができる法案はAppleにとって決して喜ばしいものではないのも頷けます。
Androidユーザーは低価格と引き換えにプライバシー権を完全に放棄しているとの報道もあり、情報保護への関心がさらに高まる中、Appleはプライバシーを基本的人権であるとする独自のスタンスを貫いています。
Appleは2016年に犯人が持っていたiPhoneのロック解除を迫るFBIの要求も退けており、プライバシーに関しては一定の線を今後も譲らないであろうと推測されます。
Source:Ars Technica
Photo:Apple
(lexi)