Apple、より高価なモデルを先に売り出す戦略に変更か
現地時間の12日に発表となった3モデルの新作iPhoneモデルですが、iPhone XRのみ後日販売開始となることがわかり、技術的な問題などが指摘されていました。しかしこれはより高価なモデルを先に売り出すというAppleの新戦略であると、米The Wall Street Journalは伝えています。
昨年のiPhone Xとは逆の販売戦略に
TrueDepthカメラを搭載したiPhone Xは、3Dセンサーモジュールの歩留まりの低さなどから、生産に遅延が生じ、最終的にiPhone8、8 Plusよりも1カ月以上遅れての発売となりました。
iPhone8、8 Plusが発売された後も、ハイエンドモデルのiPhone Xの販売開始を待つ乗り換えユーザーが多々存在したといわれており、これがiPhone8シリーズの売上に悪影響を与えたとされています。
昨年の失敗から学んだのか、Appleは今年の新作iPhoneの3モデルのうち、より高価なiPhone XSとiPhone XS Maxを廉価なiPhone XRよりも先に発売することに決めた模様です。
ハイエンドモデルを先行発売することで、1カ月の間ローエンドモデルとの競争なしで新作iPhoneの販売に集中することができるからです。
最終的にはより安価なiPhone XRが最も売れる?
スイス最大規模の銀行UBSは、AppleはiPhone XRを3,800万台、iPhone XS Maxを3,200万台、iPhone XSを1,300万台販売すると予測しています。
Appleが新作iPhoneを3モデル同時に発表したのは昨年が初めてのことで、「3モデルを一度にリリースするのは非常に複雑なプロセスである」と、Spend Management Expertsのジョン・ハーバー氏は述べています。
iPhone XRが最も売れると予測されていますが、有機EL(OLED)ディスプレイ搭載モデルが最も利益が出る、とSusquehanna International Groupのメディ・ホッセイニ氏はコメントしています。
同氏によれば、iPhone XRの製造コストは331ドル(約37,150円)、iPhone XSとXS Maxの製造コストはそれぞれ355ドル(約39,840円)と371ドル(約41,630円)であるとのことで、販売価格と照らし合わせると、ハイエンドモデルのほうが利益率が高いことが伺えます。
Source:The Wall Street Journal
Photo:Apple
(lexi)