韓国でiPhoneやiPadが販売禁止に?SamsungがAppleを救う可能性も

Apple Korea

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韓国iPhoneやiPadの輸入・販売が禁止される可能性があります。韓国の国立大学が、Appleにプロセッサの製造技術特許を侵害されたと訴えたのを受けて、韓国政府当局が捜査を行っています。捜査は、訴えを起こした国立大学に有利に進められている模様です。

韓国の国立大学「Appleが特許侵害」と訴え

韓国の国立大学である韓国科学技術院(KAIST)が「iPhoneやiPadに搭載されているプロセッサの製造技術が、自分たちの特許を侵害している」と訴えたのを受け、韓国の産業通商資源部が捜査を開始するようだと2017年末に報じられていました。
 
問題になっているのは、iPhoneやiPadに搭載されているAシリーズプロセッサの集積度を向上させる「FinFET(Fin Field Effect Transistors)」と呼ばれる技術です。
 
しかし、この訴えには不可解な点もあり、韓国でのiPhone X発売妨害とも取れるApple韓国への家宅捜索と関連づけて、背後に韓国の巨大企業、Samsungの意向が働いているのではないか、とも指摘されていました。

Appleが特許侵害との判断ならiPhoneやiPadが輸入・販売禁止に

2回にわたって期間が延長された捜査の結果が、近いうちに発表されるとみられるものの、捜査はKAISTに有利に進められているようだ、と韓国メディアBusiness Koreaは報じています。
 
問題になっている技術を使って製造されたプロセッサは、iPhone XやiPhone8/8 Plus、iPadやiPad Proを含む、2015年以降の各モデルに搭載されています。
 
仮にAppleがKAISTの特許を侵害したという判断が下された場合には、これらApple製品の韓国への輸入が禁止されます
 
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Appleの窮地を救うのは宿敵・Samsungか

興味深いことに、KAISTは同じ半導体製造技術の特許侵害をめぐり、アメリカでSamsungを相手取った裁判も起こしています。
 
Samsungは、KAISTの主張する特許には新規性がなく、訴えは不当だとしてアメリカの裁判所に資料を提出しています。
 
韓国政府当局の関係者はBusiness Koreaに「アメリカでの訴訟の動向を慎重に見守る」とコメントしています。
 
アメリカでSamsungの主張が認められた場合、韓国政府当局もAppleの特許侵害はなかった、と判断すると考えられます。
 
Appleとしては、2018年1月に同国初の直営店Apple Storeをオープンしたばかりの韓国でiPhoneやiPadの輸入・販売禁止という最悪の事態を避けたいのは当然です。
 
事態の行方は、Appleと特許侵害訴訟で泥沼の争いを繰り広げたSamsungが、アメリカで法廷に提出した証拠にかかっています。

 
 
Source:Business Korea via AppleInsider
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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