「私が引退する前に決着を」Apple対Samsung裁判に裁判官が本音

Samsung and Apple

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AppleとSamsungが来年5月中旬に再び裁判所で対峙することになりました。両社は現地時間25日に再審を申請、ルーシー・コウ地方裁判官がこれを承認しました。

「最初からのやり直しはしない」と裁判官

コウ裁判官はこれまでのプロセスの「最初からのやり直し」は行わない、と両社に警告しました。
 
AppleとSamsungの特許を巡る争いを8年前から見てきたコウ裁判官は、5月の裁判において新たな証拠の提出は認めたものの、これまでのプロセスの「やり直し」は行わない、と警告しています。裁判官は「引退するまで続けたいとは思わない。われわれ全員のためにも、何らかの決着をつけたい」と述べています。

6年以上にわたる両社の争い

両社はデザインの特許侵害を巡り、6年以上も争いを続けています。AppleがSamsungがiPhoneのデザインを盗用した、と提訴したことに端を発するこの一連の裁判は、2012年にAppleが勝訴し、Samsungに賠償金の支払いが命じられたものの、Samsungが減額を要求、泥沼化しています。
 
2016年12月に米連邦最高裁判所は、「賠償金の対象とするのは携帯電話全体ではなく、デザイン盗用が認められた部品のみにすべき」というSamsungの主張を認め、連邦巡回控訴裁判所へと審議を差し戻しました。つまり携帯電話売り上げの全体を賠償の対象とするのではなく、デザイン特許侵害が認められた部品の売り上げのみを対象とすべき、という意味です。

焦点は賠償金額の計算方法

したがって現在焦点となっているのは、適正な賠償金額はいくらかということです。連邦最高裁判所は、デザインを侵害している部品のみが賠償の対象となると判断したものの、その部品売り上げをもとにした賠償金の計算方法の指標を示しませんでした。
 
Appleは裁判所に対し、Samsungがデザイン特許を侵害している部品の一覧を提出していないことを理由に、携帯電話全体をもとに賠償金額を算出するよう要求。一方Samsungはデザイン特許を侵害した部品のみを基準に計算することを求めたため、5月の再審が決定しました。
 
 
Source:CNET
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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