MVNOの「速度差別問題」に終止符~規則改正で大手に義務化へ

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総務省が早ければ10月にも、「格安SIM」を提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)に対して「速度差別」を行わないよう、大手キャリアに対して働きかける意向のようです。日本経済新聞が報じています。

約款に記載させることで実効性持たせる

一般的に日本国内のMVNOは、独自の回線を有しておらず、ドコモ、KDDI、ソフトバンクといった大手キャリアから回線を有料で借り受けることで通信サービスを提供しています。
 
しかし、日本経済新聞によると「大手の系列ブランドの通信速度が格安業者のスマホよりも高速ではないかとの声」が出ており、借り受ける立場であるMVNOが大手と適正に競争できていない、と総務省は見ているようです。
 
これに対し、大手キャリアは「サービスは公平かつ同条件(KDDI)」と反論していますが、総務省は「個別の事業者や通信内容に伝送速度を変えてはいけないルール」を明確にしたいとの考えがあります。
 
具体的には、電気通信事業法施行規則を改正し、企業同士が取り交わす約款に同ルールを記載するよう求めることで、実効性を持たせるとされています。

止まらない行政の介入

スマートフォン業界に対する行政の介入はここ数年続いており、最近だけでも「携帯料金を4割引き下げる余地がある(菅官房長官)」といった指摘や、中古スマホのSIMロック解除を2019年9月より義務付ける法改正などが行われています。
 
こうした背景には、国内3大キャリアが約9割の契約シェアを有していることで、正常な競争が行われておらず、その結果消費者が不利益を強いられているのではないか、という問題意識があるようです。
 
ただし、一連のシステム見直しによって「月月割(ソフトバンク)」などのサポートが消え、月額料金が値上がりしてしまうのではといった懸念もあり、表面的な改革では逆に問題が悪化するだけだ、という見方も一部にはあります。
 
 
Source:日本経済新聞
(kihachi)

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