Huaweiの7nmチップ「Kirin 980」はSnapdragon 845を超える?

    kirin 980

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    中国ベンダーHuawei7nm(ナノメートル)プロセス生産による最新システム・オン・チップ(SoC)、Kirin 980を発表しました。多くのAndroidフラッグシップ機に採用されている、QualcommのSnapdragon 845(10nm)よりもプロセスが微細化されているKirin 980は、パフォーマンスにおいてSnapdragonを大きく上回るといわれています。

    基本動作でSnapdragon 845を圧倒

    HuaweiKirin 980システム・オン・チップは、ドイツの首都ベルリンで8月31日-9月5日に開催中の国際コンシューマ・エレクトロニクス展(IFA Berlin)において発表されました。
     
    Kirin 980は、ARM Cortex-A76 CPUとMali-G76 GPU命令セットに基づいて生産された最初のプロセッサであり、Category 21に対応、通信速度は下り最大1.4Gbpsとなっており、2,133MHz LPDDR4X RAMをサポートする初のチップでもあります。
     
    7nmプロセスのKirin 980は、10nmプロセスのSnapdragon 845よりも帯域幅が20%大きく、レイテンシーが22%低くなっています。デバイスの使用感としては、アプリを開くのが速いと感じられるでしょう。
     
    ゲームアプリにおいては、Kirin 980はSnapdragon 845よりもフレームレート(fps)が22%高く、プレイ時の消費電力が32%抑えられるといわれています。
     
    写真撮影機能も、Kirinチップでは大幅に向上しています。Huaweiによれば、デュアルISP(画像処理プロセッサ)により、前世代のシステム・オン・チップよりもカメラ処理速度が46%速く動画撮影時の電力効率は23%、レイテンシーは33%改善されているとのことです。

    AI処理に特化したKirin 980

    Kirin 980には、デュアルNPU(ニューラル処理ユニット)が積まれており、AIによる画像認識を1分あたり4,500枚のレートで行うことができます。Snapdragon 845の1分あたり2,371枚、Apple A11の1分あたり1,458枚に対し、Kirin 980が大きく抜きん出ていることがわかります。
     
    Huaweiによると、AIは省電力にも貢献するとのことで、負荷要求をより的確に予測することにより、ユーザーが行っているタスクに必要な処理速度を過不足なく提供することができるとされています。
     
    Huaweiは、今年Android陣営で唯一Appleのライバルになり得るといわれており、10月16日にKirin 980を搭載したフラッグシップ機Mate 20を発表する予定です。
     
     
    Source:The Verge
    (lexi)

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    ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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