これでもまだディスプレイ上で指紋認証したい?

次世代技術と評判の高い、指紋認証センサーのディスプレイ内埋め込みですが、その利点にもかかわらずAppleやSamsungは現時点で採用を見送っています。しかしこの画像を見れば、理由は一目瞭然かも知れません。
最近流行りの指紋認証センサー埋め込みだが
iPhone XのFace IDを皮切りとして、スマートフォン市場でも顔認証センサーが台頭しつつあるものの、3D顔認証を可能にする技術の開発には多大なコストを要するため、指紋認証センサーが依然として主流を占めています。
とはいえ、近年流行りのベゼルレスデザインを採用した場合、領域の問題から、指紋認証センサーをディスプレイ側に持ってくることは難しくなります。そこで問題を解決するために登場したのが、指紋認証センサーをディスプレイの下に埋め込むという技術です。
バックライトを必要としない有機EL(OLED)ディスプレイとの組み合わせによって初めて実現可能な同技術は、VivoのX21 UDを手始めに、デザイン面を追求する中国ベンダーを中心に採用されてきました。
しかし、薄いOLEDディスプレイの下に指紋認証センサーを埋め込むというアイデアの弊害が、まさかこんな形で現れるとは、リリース当時は想像だにしなかったに違いありません。画像はXiaomiのMi 8と、MeizuのMeizu 16です。
公開された画像からは、SDカードのような指紋認証センサーがディスプレイ越しに透けて確認できます。
確認できるのは太陽光に晒されたときのみ
どちらのセンサーも乱雑に配置されているように見えることや、センサーだけが浮いていること、他のユーザーからの報告が少ないことなどからフェイクを疑う声もありますが、画像を投稿したのはリーク業界で有名な人物@i冰宇宙(Ice universe)氏であるだけに、一定の信憑性をもって受け止められています。
In the sun, we can see the optical fingerprint sensor module hidden under the OLED screen. They are Xiaomi 8 and Meizu 16th. pic.twitter.com/VTKOpbbop8
— Ice universe (@UniverseIce) August 20, 2018
同氏によれば、センサーが斜めに配置されているのは、指紋認証をディスプレイ越しに行う際、親指が自然と傾くからだそうです。また、あくまでもセンサーは屋外の強い光に晒されたときのみ確認できるもので、室内では透けて見えることはないそうです。
スマートフォン業界の中でも先駆けて、指紋認証センサーの埋め込み技術開発に勤しんできたとされるSamsungが、未だに採用を見送っているのは、もしかするとこんな事情が背景にあるのかも知れません(2019年のGalaxy S10より、超音波式のディスプレイ埋込み型指紋認証センサーを採用するとの観測あり)。
Source:微博-i冰宇宙,Twitter-Ice universe
(kihachi)