英当局、iPhone Xの広告表現を「問題なし」と判断〜過去には放送禁止広告も

Apple iPhone X CM YouTube

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イギリスの広告基準協議会(Advertising Standards Authority:ASA)が、AppleがiPhone Xのポートレートモードを紹介した広告で「スタジオ品質の写真が撮れる」というフレーズを使うことは問題ない、との判断を下しました。ASAは、日本のJAROにあたる広告審査機関です。

「iPhone Xの広告は誤解を招く」との訴えを受け調査

iPhone X広告で「スタジオの機材がなくてもスタジオ品質の写真が撮れる」と謳っているのは誤解を招き大げさだ、という匿名の消費者からの訴えに基づいて、ASAはAppleから意見を聴くなど、調査を行いました。
 
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訴えがあったのは、iPhone Xのポートレートライティング機能を紹介した広告で、2月に公開されています。
 

「iPhone Xの広告は大げさなものとは言えない」

ASAは現地時間6月27日、Appleの広告が決して大げさなものではない、と認める以下の調査結果を発表しました。

消費者は「スタジオ品質のポートレート」が、iPhoneの照明エフェクト機能によって、スタジオで撮影されたポートレートのような写真を撮影できる、という意味だと理解できると思われます。
 
iPhone Xのカメラには、写真スタジオで一般的に使われる単焦点レンズが使われており、広告に使われている画像は、iPhoneで撮影されたものであることも確認しました。

写真の撮影時や撮影後に使用可能なiPhone Xの照明エフェクト機能は、ユーザーがスタジオで撮影した写真に似せることができるものと考えます。
 
スタジオで高品質の写真を撮るには、多くのエフェクト、テクニック、道具が重要な役割を果たしており、その多くはiPhone Xだけでは実現できないものです。しかし、広告で強調されているのが照明エフェクトの性能であり、広告に使われている画像がiPhone Xの撮影性能を実際に反映したものです。
 
これらの理由から、広告が誤解を招くものではないとの結論に至りました。

過去には放送禁止になったiPhoneのCMも

Appleの広告がASAの調査対象となったのは、これが初めてのことではありません。
 
2008年には、「インターネットのすべてが、iPhoneにあります」と謳ったiPhone3Gの広告は、FlashやJavaが使えないiPhoneには不適切との判断が下され、イギリス国内での放送が禁止されました。
 
別のiPhone3Gの広告は、処理速度の速さを大げさに表現している、として同様に放送が禁止されています。
 
2009年には、iOS向けAppStoreの広告がすべてのソフトウェアが入手可能と誤認させると判断され、放送が禁じられました。
 
一方、2011年にiPhone4の「世界で最も薄いスマートフォン」と謳った広告にSamsungが「自社のスマートフォンには、iPhone4より薄い部分がある」と異議を申し立てた件に対しては、Samsungのスマートフォンの大部分はiPhone4よりも厚いとして、Appleを支持する判断を下しています。

 
 
Source:AppleInsider, Advertising Standards Authority
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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