経営難だったシャープが6年ぶりに国内2位を奪還できたわけ

foxconn sharp

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一時は深刻な経営危機に陥っていたシャープですが、2017年度は日本国内においてスマートフォンの出荷台数が、Appleに次ぐ多さにまで回復しています。

6年ぶりに2位を奪還

リサーチ企業MM総研が発表したデータによると、2017年度のスマートフォン出荷台数シェアは、1位がApple(49.9%)、2位がシャープ(12.6%)、3位がソニー(12.5%)、4位がSamsung、5位が富士通となりました。
 
2017年 日本 国内 スマートフォン シェア
 
16年度の52.7%から49.9%にシェアを減らしたとはいえ、Appleが圧倒的な1強であることに変わりはありませんが、注目すべきはシャープで9.3%から12.6%への上昇を遂げています。シャープが2位を奪還するのは実に6年ぶりとのことで、Foxconnの買収が奏功していると見られています。

ラインナップをシンプルにしたのが鍵

毎日新聞にシャープ関係者が語ったところによると、同社はFoxonnの傘下となった後、「脱キャリア戦略」を採るようになったそうです。従来はキャリアによって仕様の異なる機種が存在していたものの、17年夏モデルからハイエンドモデルは「AQUOS R」、廉価版は「AQUOS sense」と、ラインナップを厳選して分かりやすくしたことで、消費者に対して訴求力が増したそうです。
 
また、AQUOS senceを廉価版として販売できたことの背景には、Foxconnの充実した生産ラインを活用できた点が大きいとのことです。Foxconnは世界最大のスマートフォン組み立てサプライヤーとして知られており、例年iPhoneの組み立てを担当しています。
 
シャープ aquos r2
 
一方で、ハイエンドモデルに位置づけられるAQUOS Rシリーズは、6月に登場したAQUOS R2で、デュアルカメラながら動画用のカメラと写真用のカメラを独立させるという画期的な試みを行っています。これによって、動画用のカメラを被写体深度の深い広角レンズとして位置づけることに成功しているほか、動画の撮影中にAIが自動で写真撮影をしてくれる「AIライブシャッター」機能などで、他社のハイエンドモデルとの差別化に尽力しています。
 
富士通が1月に携帯事業を売却したことによって、国内スマートフォンメーカーで目立つ存在はソニーとシャープのみとなりましたが、ここからシャープのさらなる快進撃が見られる日は来るのでしょうか。
 
 
Source:MM総研,毎日新聞
Photo:シャープ
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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