スマートフォンの出荷台数、前年同期比でわずかに増加

スマートフォン フリー素材

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飽和状態で売れなくなっていると言われるスマートフォン市場ですが、2018年第1四半期(1〜3月)の市場全体における販売台数は、前年同期比で1.3%増加していたことが分かりました。調査企業Gartnerが明らかにしました。

安価なモデルの需要が牽引

2018年の第1四半期に販売されたスマートフォンの合計は約3億8,400万台で、前年同期比の3億7,800万台からわずかに増加しました。
 
調査企業Canalysが先日発表した同四半期における出荷台数が、前年同期比で過去最大の減少幅となるマイナス6.3%(西欧だけに限ればマイナス20%超)だったことを思うと、売り上げ台数がわずかながら伸びたことは注目に値します。
 
2018年第1四半期 gartner Q1
 
ただし、その内訳をみると需要を牽引しているのは150ドル(約16,500円)以下の安価なスマートフォンであるのが実情です。Gartnerのアナリストであるアンシュル・グプタ氏はハイエンドスマートフォンの需要の伸び悩みとは対照的に「エントリーレベル(100ドル=約11,000円以下)やミッドレベル(150ドル=約16,500円以下)のスマートフォンの需要が、バッテリー性能が向上したモデルのおかげで高まった」と指摘します。

上位5社にスマートフォン市場は収斂

確かにシェアで上位を占める5ベンダーの内訳をみると、Xiaomiこそシェアが倍増しているものの、飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大を続けてきたOPPOやHuaweiなどの伸び悩みが目立ちます。
 
その一方で注目したいのが、Appleのシェア拡大です。2017年第1四半期で13.5%だったシェアは、2018年同四半期で14.1%へと増加しています。これについてGartnerは「例年よりも遅れて売り上げの加速がやってきた」と分析していますが、ユーザーが以前のように頻繁に買い換えなくなった今どうやって成長を続けていくのかは、Appleにとっても喫緊の課題と言えるでしょう。
 
しかし、上位5社以外のシェアが昨年の44.9%から40.1%へと大きく減少しているのも着目すべきポイントです。この減少は言い換えれば、上位5社への収斂を意味するからです。もはやスマートフォン市場は体力のある企業しか生き残ることができなくなりつつあります。
 
 
Source:Gartner
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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