18年第1四半期の欧州スマホ市場、過去最大の減少幅を記録

ヨーロッパ 2018 Q1 スマートフォン 市場

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世界的なスマートフォン市場の飽和が叫ばれて久しいですが、いよいよはっきりと目に見える形で表れ始めたようです。2018年第1四半期におけるヨーロッパのスマートフォン出荷台数は、前年同期比でマイナス6.3%を記録し、過去最大の減少幅となりました。

西ヨーロッパに限るとさらに悲惨な数字に

2018年第1四半期において、前年同期比で6.3%の減少というのは、ロシアの前年同期比で25.4%の増加を加味してのものです。西ヨーロッパに限ってみると、ドイツは16.7%の減少、イギリスも29.6%の減少、フランスも23.2%の減少と、軒並み大きく市場が縮小していることが分かります。
 
ヨーロッパ 2018 Q1 スマートフォン 市場
 
こうしたことから、調査企業Canalysのアナリストであるベン・スタンソン氏は「これはヨーロッパのスマートフォンにとって新たな時代なのだ」と述べます。「我々は拡大の時代からサイクルへの時代へと移行している。現行のスマートフォン企業にとって、これは経験したことのない逆風だろう。いくつかの小さなブランドは、数年以内に市場から退出するだろうと予測している」
 
事実、ヨーロッパで好評だったスマートフォン機能を見ると、アスペクト比が18:9のディスプレイ、メモリは4GB以上、カメラはデュアルカメラ以上と、最先端のハイスペックを求める傾向が目立ちます。体力のないスマートフォン企業にとっては、追いつくのも厳しいでしょう。
 
ヨーロッパ 2018 Q1 スマートフォン 市場

SamsungやAppleの地位も危うい?

しかし、現在スマートフォン市場で上位を独占しているSamsung(シェア33.1%)とApple(同22.2%)も、いつまでもその地位が安泰というわけではなさそうです。
 
Canalysの調査によると、Samsungは前年同期比で15.4%、Appleは5.4%の出荷台数減少となっています。一方で、Huaweiは38.6%の増加を見せており、Appleとの出荷台数差は280万台にまで縮まっています。
 
ヨーロッパ 2018 Q1 スマートフォン 市場
 
もはや完全にレッドオーシャンと化したスマートフォン市場にあって、生き残るのはほんの一握りの巨大企業だけなのでしょうか。
 
 
Source:Canalys
(kihachi)

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この記事を書いた人

丸みを帯びたiPhone3GSの筐体に惚れ込み、Apple信者を誓ったのも今は昔。2014年から始めたライター業がきっかけで、気づけばXiaomiやHuaweiなど中華スマホにも手を出す浮気症に。

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