「Appleの課題はハードではなくソフト」著名アナリストが指摘

ARKit Apple

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Appleが近年直面している最大の課題は、ハードウェアではなくソフトウェアだと、Apple情報に詳しいKGI証券のアナリスト、ミンチー・クオ氏が述べています。

AR分野ではOPPOがAppleに肉迫か

クオ氏は投資家らに配布した調査メモにおいて、Appleのソフトウェア開発の遅れが、ソフトとハードの統合という戦略にも影を落としていると指摘しています。
 
例えばAppleが力を入れている拡張現実(AR)技術では、中国のスマートフォンメーカーOPPOが急速な技術発展を遂げてAppleに肉迫しており、ARKitとの差は6〜9カ月程度しかない、とクオ氏は見ています。
 
そのため中国テンセントの人気ゲーム「王者栄耀(Honor of Kings)」のAR版(5月リリース予定)は、iPhone XだけでなくOPPOの安価なスマホでもプレイ可能となる見込みで、同アプリについてはAppleのリードは完全に失われています。

革新的なiOSのARアプリが出ていない

またクオ氏は、昨年6月の世界開発者会議(WWDC 17)でARKitを発表して以来、iPhoneとiPad向けの革新的なARアプリがリリースされていないとも述べています。
 
AppleがAR分野でライバルに差をつけるには、AR開発プラットフォームのARKitの開発、CPUとGPUを含むシステムオンチップ(SoC)のカスタム化、リアカメラのカスタム化でAndroid陣営に差をつけ、ライバルよりも先に人気のARアプリを市場に出す必要がある、というのがクオ氏の意見です。
 
ソフトウェアといえば、Appleは昨年、iOSやmacOSでバグや不具合の対応に追われました。そのため次のメジャーアップデートとなるiOS12では、目立った新機能の追加は行われず、小規模な変更にとどまるとも噂されています。

 
 
Source:MacRumors
(lunatic)

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この記事を書いた人

元某業界新聞社の記者。その後フリーライターとして各方面で執筆、英日翻訳家としての著書も多数。2014年から本メディアでライター、編集記者として活動中。アメリカ在住(現在は日本に滞在中)。iPhone使用歴は12年以上。

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