Appleのジョナサン・アイブ氏、モデルのナオミ・キャンベルさんに本音を語る

ジョナサン・アイブ氏 ナオミ・キャンベル氏 Vogue

ジョナサン・アイブ氏 ナオミ・キャンベル氏 Vogue
 
Appleの最高デザイン責任者であるジョナサン・アイブ氏に、ファッションモデルや女優、歌手として活躍するナオミ・キャンベルさんがインタビューした記事がファッション誌Vogueに掲載されました。
 
テクノロジーやビジネスメディアによるインタビューとはひと味違った、アイブ氏の本音を引き出したインタビューとなっています。

Apple Park内でトップモデルによるインタビュー

ともにイギリス出身で世界的に名前を知られる工業デザイナーへのファッションモデルによるインタビューは、米カリフォルニア州に完成したApple Park内で行われています。
 
記事の導入部でナオミ・キャンベルさんは、その巨大な建物への驚きとともに、「ここでは全てがカスタムメイド。ピザの箱ですら、ピザがふやけるのを防ぐための専用設計」「社員食堂ではiPadや顔認証を使って注文ができる」と語っています。
 
インタビューでは、アイブ氏が銀細工職人だった父親のもとで、工作や絵画からデザインへと興味を広げていった様子、スティーブ・ジョブズ氏との思い出、秘密の多いAppleでデザイナーとして働くということなどが幅広く語られており、2人とも日本が大好きという話題も飛び出しています。
 
中でも、特に興味深い箇所についてご紹介します。

「秘密ばかりの仕事、誰かに話したくなりませんか?」

ナオミさんから「あなたの仕事な秘密ばかりですが、誰かに話したくなりませんか?」と尋ねられると、アイブ氏は以下のように返しています。

私は秘密主義をとっているとは考えていません。未完成の何かに取り組んでいるときは、誰にも見せたくないんです!

 
ナオミさんが「ご自身で働きすぎだと感じて、ひらめきを得るために休まなくてはは、と思いませんか?」と聞くと、

デザイナーであることが難しいと感じるのは、スタジオにいる時以外でも、目を開けていれば、見えたものについて常に「これは、どうしてこうなっているんだろう、ああではないんだろう?」「うん、これは面白い」と考えてしまうことです。

と、目にするもの全てをデザイナーの観点で捉えてしまうと語っており、アイブ氏は目を開いている限り、常にデザインし続けているようです。

「デザインしたことを特に誇りに思うものは?」

ナオミさんはアイブ氏に「デザインしたことを特に誇りに思うものは何ですか?」と質問しつつ、

初めてFaceTimeを知った時、とても未来的で驚きました。ナイロビやデリーにいても、ママと顔を見て話せるなんて魔法みたい。

と、FaceTimeを初めて使った時の感動を語っています。
 
これに対してアイブ氏は、FaceTimeの魅力を以下のように語っています。

ええ、FaceTimeは、テキストメッセージのように簡単につながって、微妙なニュアンスや親密さも伝わる、最も素敵なコミュニケーションのひとつですね。だれかの目を見るというのはとても重要です。

アイブ氏は日本好き

話題が、2人とも交流の深かったファッションデザイナーのアズディン・アライア氏のことに及ぶと、ナオミさんは「布地に、彼のような方法で接する人々は、日本人だけでした。あなたのデザインに影響を与えた文化はありますか?」と尋ねると、アイブ氏は、

どんな文化でも、しっかりと関わり、明確なものの先を思い描くと、信じられないほど美しいものが生まれます。これは良い訓練です。旅行が大好きで、日本も大好きです。21歳になるまで飛行機に乗ったことがありませんでしたが。

と、日本好きであることを明かしています。

アイブ氏がチームのメンバーに求める能力は?

最後にナオミさんが「もし、チームに新しいメンバーを雇うとしたら、どんな人がいいですか?」と質問すると、コミュニケーションの本質について語っています。

世界をどう見るか、が重要です。スティーブ(・ジョブズ氏)の遺産は、価値観と、挑戦するという信念だと思っています。
 
静かな声は、しばしばとても簡単に無視されてしまいます。しかし彼は読み、話すのと同様に聞く能力が素晴らしかった。
 
コミュニケーションの多くは、聞くことなのです。それは、何かを言い返すためだけに聞く、というのとは違います。

 
 
Source:Vogue
(hato)

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この記事を書いた人

2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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