Apple、リチウムイオンバッテリーの原料コバルトを直接調達か

Appleはモバイルデバイスの要であるリチウムイオンバッテリーの原料として使用される金属コバルトの将来の供給を確保するため、資源会社と直接交渉を開始している模様です。
EV時代の到来でコバルトの価格が高騰
コバルトの価格は過去18カ月間で3倍以上となっており、現在1トンあたり80,000ドル(約862万円)の値段で取引されています。コバルト高騰は、大容量のリチウムイオンバッテリーを搭載する電気自動車(EV)の需要の高まりに起因するといわれています。1台のスマートフォンに約8グラムの精製コバルトが用いられるのに対し、EVは1,000倍上を必要とします。
ドイツ自動車メーカーのBMWはすでに10年先までコバルトの安定供給を確保し、その他にもフォルクスワーゲンや、韓国Samsung傘下のバッテリー製造販売企業Samsung SDIが、数年先まで見越したコバルトの供給確保に乗り出しています。
Appleもバッテリー企業を介さず直接交渉開始
リチウムイオンバッテリーの原料となるコバルトの安定供給をめぐる競争が激化する中、コバルトを世界で最も使用する企業のひとつであるAppleも動き出しています。
Appleは少なくとも5年先までApple製品のためのコバルトの安定供給を確保すべく、1年あたり数千トン規模の契約を模索しているようです。
世界で採掘されるコバルトのうち3分の2がコンゴ民主共和国由来だといわれています。
国際人権保護団体のAmnesty Internationalは、2016年にコンゴのコバルト鉱山で児童労働が行なわれていることを告発しました。その報告を受け、昨年Appleはサプライチェーンの見直しを実施し、責任ある方法で原材料を調達することを宣言しています。
Source:Bloomberg
(lexi)