Apple、中国のメモリチップメーカーの部品を初めてiPhoneに採用か

    nand メモリ

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    AppleはこれまでNAND型フラッシュメモリの供給は日米韓の企業に頼ってきましたが、中国企業で初となるYangtze Memoryとサプライヤー契約を結ぶ可能性が指摘されています。

    中国初のチップサプライヤーに?

    フラッシュメモリはスマートフォンの構成部品のなかで最も高価なもののひとつとして知られています。例えばiPhone Xに搭載されている256GBのメモリの場合、東芝製のもので原価は45ドル(約4,792円)と見積もられています。
     
    現在、日本の東芝、アメリカのWestern Digital、韓国のSK HynixとSamsungがiPhoneのメモリチップ生産を担っていますが、メモリ企業として中国初となるYangtze MemoryがAppleと契約交渉しているとNikkei Asian Reviewは報じています。
     
    Yangtze Memoryは、Yangtze River Storage TechnologyもしくはChangjiang Storageとして過去に知られた企業で、中国政府系の企業グループ紫光集団(Tsinghua Unigroup)の関連企業です。Yangtze Memoryの主要株主にはChina Integrated Circuit Industry Investment Fund(CICF)、紫光集団、湖北省の地方政府が名を連ねています。
     
    Yangtze MemoryがAppleサプライヤーの仲間入りを果たす場合、求められる品質の高さ大量の注文により、またたく間に国際的なプレイヤーになると予測されています。
     
    Appleはフラッシュメモリの世界一大きな消費者であり、世界需要の約15%を占める、1億6,000ギガバイト分ものメモリを2017年に購入しています。
     
    Yangtze MemoryがAppleとの交渉をまとめられるのは早くて2019年だといわれており、部品供給を開始できるのは2020年以降になってからだとみられています。

    増加するAppleの中国サプライヤー

    2012年にはわずか7だった中国ベースのAppleサプライヤー企業の数は、2017年には19にまで増加しています。
     
    Appleにとって中国は世界で3番目に大きな市場であり、2017年第4四半期の収益のうち約20%に達する882億9,000万ドル(約9.4兆円)が中国由来となっています。
     
    Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)は2011年に同職に就いてから12回も中国を訪れており、2017年だけでも3月、10月、12月に訪中しています。
     
    今回、Yangtze Memoryとのサプライヤー契約に中国政府が絡んでいるかは明らかになっていませんが、Appleは過去に中国企業のFinisarに3億9,000万ドル(約440億円)を投資するなど、中国との友好関係の構築に力を入れていることで知られています。
     
     
    Source:Nikkei Asian Review
    Photo:BusinessKorea
    (lexi)

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    この記事を書いた人

    ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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