iPhone Xの組み立てを単独で担当する鴻海精密工業(Foxconn)が、iPhone X用部品の供給不足のため、2017年第3四半期(7〜9月期)の純利益が前年同期比で39%の落ち込みを記録しました。2008年以来、最大の下落幅です。
Foxconn、2008年以来最大の落ち込み
Apple最大のサプライヤーで、iPhone Xの組み立てを独占しているFoxconnが発表した2017年第3四半期(7〜9月期)の業績は、純利益が210億台湾ドル(約790億円)で、予想されていた372億台湾ドル(約1,400億円)を大きく下回る結果となりました。
順調に業績を拡大してきた同社にとって、この落ち込みは2008年以来、最大のものです。
Foxconnの業績落ち込みの理由についてBloombergは、iPhone XのTrureDepthカメラ用の部品の供給が滞ったことを挙げているほか、現在は有機EL(OLED)ディスプレイの供給に問題が生じていると報じています。
今後の伸びが確実なiPhone X、先行きの暗いiPhone8/8 Plus
iPhone Xについては、供給が安定してきていると見られ、これから迎えるホリデイシーズンには製造台数、販売台数とも上向くことが期待されています。現在、Appleのオンラインストアで、iPhone Xは出荷まで「3〜4週間」と案内されています。
一方で、iPhone Xと同時に発表され、9月に発売されたiPhone8/8 Plusは期待されていたほど売れていないと見られており、Appleはサプライヤーへの発注を半減させていると報じられています。
iPhone8/8 Plus用の液晶ディスプレイを供給しているジャパンディスプレイは2017年4〜9月期の損益が680億円の赤字を報告しているほか、iPhone8/8 Plusの組み立てを担当するPegatronの業績に悪影響が出るのは確実と予測されています。
Appleの事情に詳しいKGI証券のミンチー・クオ氏は、iPhone Xの需要は2018年に入っても加速すると予測し、12月までに販売が不振のiPhone8製造ラインがiPhone X用に組み替えられる、とも述べています。
Source:Bloomberg
(hato)