A11 Bionicチップを製造するTSMCの86歳会長が任意退職
iPhone 8/8 Plus/Xに搭載されているA11 Bionicを製造する世界最大の半導体製造ファウンドリである台湾TSMCの会長モリス・チャン氏(86歳)が来年6月で任意退職することがわかりました。
30年前に起ち上げ、1,850億ドル(約20.8兆円)規模に成長
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co)の創業者であるモリス・チャン氏(86歳)は、企業の起ち上げから30年、会長の座から退くことを発表しました。
1987年にチャン氏が払込資本金4,500万ドル(約50.7億円)で創業したTSMCは、自社工場を持たないAppleなどのファブレス企業と組むことで、チップの契約製造の草分け的存在となりました。
TSMCは、最近ではiPhone 8/8 Plus/Xに採用されたAppleのA11 Bionicチップを独占的に製造していることでも知られています。
創業から30年、TSMCは、半導体の設計は行わず製造だけを請け負う「ファウンドリ」として世界最大の1,850億ドル(約20.8兆円)規模へと成長しました。
今後激しくなるファウンドリ間の競争
韓国のSamsungは、次の5年間で半導体専業ファウンドリ市場でのマーケットシェアを3倍に伸ばすことを目指しており、積極的な顧客獲得手法に打って出るのは間違いありません。
チャン氏の後釜として、カリフォルニア大学バークレー校で電気工学と情報科学を専攻したマーク・リュウ氏が会長の座につき、イェール大学で電気工学を修めたシーシー・ウェイ氏が最高経営責任者(CEO)になると言われています。
TSMCはこれまでスマートフォンの需要拡大の波に乗って業績を伸ばしてきましたが、これからはAIや自動運転にも力を入れていくとのことです。
Source:Financial Times, Reuter
Photo:Wikimedia
(lexi)