Apple収益、iPhone8/X効果で伸びるも2019年以降は低迷?

    BenjaminGeskin_iPhone8

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    9月12日に発表が期待されるiPhone8/X/Editionですが、この有機EL(OLED)搭載モデルがAppleを現在の苦況から救う解決策となると、投資銀行Guggenheim Securitiesが予測しています。
     
    しかしその効果が続くのは2018年までで、以降は再びiPhone売上減とともにAppleの売上も低迷するとの厳しい見方をしています。

    来年はさらにiPhoneに依存。堅調なのはサービスのみ

    Guggenheimが作成した、カテゴリー別の売上を前年と比較したグラフを見ると、過去4年間は製品売上が伸び悩んでおり、2016年にはついにサービスとその他製品以外がマイナスとなっていることがわかります。さらにいえば、前年比でプラスになっているのはサービスのみです。
     
    また同社の売上はiPhoneに依存しているため、iPhone売上が低迷すれば売上全体も低迷します。Guggenheimは、AppleはiPhone8/X/Editionにさらに依存する形となると予測しており、売上の伸びの66%を新規iPhoneが支えると見ています(これまでは62%だった)。
     
    Apple 売上

    2019年には再びマイナス成長へ

    しかしグラフで気になるのは、2017年、2018年と売上が伸びるのを最後に、再びマイナス成長に転じている点です。
     
    Appleのサービス事業は伸びており、2017年の段階ですでにiPhoneに次ぐ第2の収益源(Guggenheimの予測では全体の25%を占める)となる見通しですが、同社はほかの企業であれば、サービス売上の伸びはさらに大きいはずだといいます。
     
    サービスにそこまでの伸びが期待できないのは、AppleがGoogleやFacebookのように広告事業に力を入れていないためです。

    広告事業に依存しないAppleの弱点

    Appleは現在のApple Newsなどで広告を販売していますが、昨年にはモバイル広告配信のiAdを廃止し、よい製品を消費者に提供し、消費者のプライバシーを保護するという主張を改めて打ち出しました。
     
    そのためAppleは、製品売上が低迷した時に広告収益で埋めるというワザが使えません。そうなると、消費者がすでに購入しているApple製品向けに新たなサービスを提供して収益を得る必要があり、Appleが拡張現実(AR)オリジナルのTVコンテンツなどに力を入れている背景にはそうした事情もある、とGuggenheimは分析しています。
     
     
    Source:Business Insider
    Photo:Twitter (Benjamin Geskin)
    (lunatic)

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