Appleは中国でのApple Pay普及をあきらめたのか?

WeChat Pay

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Appleは、中国のApp StoreとApple Musicの支払い方法に、WeChat Payを追加すると発表しました。中国モバイル決済シェアNO.1を誇るAlibabaのAlipayを昨年10月に採用したのを皮切りに、現在シェアNO.2であるWeChat Payの導入にも踏み切った理由は何でしょうか。

中国で普及しないApple Pay

中国国内でのApply Payのシェアは、サービス開始から18ヶ月経った現在も約1%止まりであり、この先増える見通しは不透明なのが現状です。一方、Alipayは53.7%と最も幅を利かせており、後を追うWeChat Payは39.51%のシェアを占めています。
 
WeChat Payを支払い方法として追加することにより、より多くのユーザーへの対応が可能となり、最近落ち込んでいる中国での収益の向上が期待できます。

目の前の実を取ったApple

TencentはAppleのApp Storeに対抗し、WeChatアプリ内で動作するアプリストア機能mini programを、iPhoneの10周年記念に合わせて発表しました。
 
WeChatのmini programがiPhone上で使用されると、App Storeの求心力が損なわれる可能性があります。WeChat Payが使えない状態では、ユーザーはより便利なWeChatのmini programへと流れていくかもしれません。
 
Appleは8月初め、中国におけるApple MusicとiCloudの有料会員が、過去90日間で12%増の1億8,500万人となったと発表しており、これにはAlipayの追加が影響していると考えられています。
 
Appleが今回WeChat Payを追加したのは、中国でのApple Pay普及をあきらめたというより、同様の効果を期待してのものと見ることもできます。
 
Appleは中国でApple Payを普及させることはできるでしょうか。
 
 
Source:China Money Network
(lexi)

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この記事を書いた人

ARラボ出身の猫愛好家。往年のMacユーザーで、iPhone使用歴は10年以上。

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