初代iPhone開発の様子、当時のエンジニアが語る!
2007年に発売された初代iPhoneの開発の様子を、当時のエンジニアが明かしました。徹底した秘密主義の中で開発が進められていたことが分かります。
初代iPhone開発時のエンジニアが当時の様子を語る
Q&AサイトQuoraで、初代iPhoneの開発プロジェクトの様子を尋ねる質問があり、2003年から2010年の期間、Appleのソフトウェアエンジニアとして勤務していたテリー・ランバート氏が当時の様子を回答しています。
ランバート氏は、iOSのカーネルのデバッガーとして、「プロジェクト・パープル」と名付けられた初代iPhoneの開発に携わることとなりました。
部屋に入ると、いたるところが黒い布で覆われていました。Appleでは、黒い布は秘密の製品を隠すのに使われるので、それらを見ていないふりをしなくてはなりません。
見ることができたのは、リモートデバッグをしている装置で、デバッグの対象ではありませんでしたが、それは明らかにARMベースのシステムでした。
秘密保持契約書にサインし、コードネームを口外しないことに同意するまでは、プロジェクトのコードネームを知ることもできませんでした。
Appleは、異なるチームにそれぞれ異なるコードネームを与え、1つのプロジェクトに取り組ませることがあります。それぞれのエンジニアは、お互いが同じプロジェクトに取り組んでいることを知らされません。
のちに、ごく限られた人しか入れない「シークレット・ラボ」への入室が許可されるようになりました。しかし、製品のフォームファクタを目にすることはありません。開発初期段階であれば、ガラス板に乗ったプロトタイプが並んでいるだけです。
徹底した情報統制下で開発された初代iPhone
ランバート氏が明かしたエピソードから、当時のAppleが、複数のチームに同時進行で同じプロジェクトを担当させるなど、無駄と思えるコストを払い、社内の情報統制を徹底しながら初代iPhoneの開発を進めていたことがわかります。
Appleの厳格な秘密主義は今も続いていますが、最近は人工知能分野の研究者に研究成果の公表を認めるなど、部分的には方針も変わりつつあります。
なお、Appleの最高デザイン責任者、ジョナサン・アイブ氏について書かれた「ジョナサン・アイブ 偉大な製品を生み出すアップルの天才デザイナー」には、初代iPhoneのプロトタイプ画像も掲載されています。
iPhoneは今年、累計出荷台数が10億台を突破し、「世界の歴史上で最も売れたプロダクト」となりました。2017年には初代の発売から10周年を迎えます。