「スーパーマリオラン」の価格設定理由、任天堂が明かす!アプリは4日で4,000万DL

    スーパーマリオラン

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    スーパーマリオラン」が、公開4日間で4,000万ダウンロードを突破したことを任天堂が発表しました。批判が集中するポイントでもある、1,200円と強気の価格設定の意図について、任天堂が明かしました。

    公開4日間で4,000万DL突破!

    スーパーマリオラン」のダウンロード数が公開から4日間で4,000万ダウンロードを突破、App Storeの新記録を更新した、と任天堂が12月21日のプレスリリースで明らかにしました。
     
    同社によると、「スーパーマリオラン」は、140の国と地域のApp Store無料ゲームランキングで1位となったほか、全世界100のApp Storeで収益を上げたゲームトップ10に入ったとのことです。
     
    「スーパーマリオラン」開発を率いた任天堂の代表取締役でクリエイティブフェローの宮本茂氏は、以下のコメントを発表しています。
     

    全世界の多くの方々に新しいマリオをお届けできたことを、大変嬉しく思っています。購入して得られる内容を十分に理解いただくには、もう少し時間が必要かもしれませんが、購入を決めていただいた方が徐々に増えていることを実感しています。
     
    今後はさらに多くの方に、片手で遊べるマリオの魅力を感じていただき、お子様にも安心して与えていただけるゲームとして、幅広く受け入れていただくことを目指したいと思います。

    専門家の予測を大幅に上回る

    「スーパーマリオラン」が公開後1か月で5,000万ダウンロードとなる、との予測を発表していたSensor Towerは、同アプリが公開後4日間で2,500万ダウンロードを達成し、売上は2,100万ドル(約24億6,200万円)に達した、との予測を発表していました。
     
    「ポケモンGO」の同期間のダウンロード数を50%以上も超える、という予測を、「スーパーマリオラン」は軽々と超えてしまったこととなります。

     
    スーパーマリオラン 2500万DL 記録
     
    Sensor Towerによると、ゲームアプリのリリース後に4日で2,500万ダウンロードを達成したのは、「ポケモンGO」の11日という史上最短の記録を更新しています。ただし、「スーパーマリオラン」は一気に世界151か国で公開されたのに対し、「ポケモンGO」は順次公開となったため、単純比較はできません。

    「スーパーマリオラン」アプリ課金率は約8%

    任天堂は「スーパーマリオラン」で短期間に多くの売上をあげたものの、高すぎた期待には応えられなかったためか、同社の株価は約11%も下落しています。
     
    App Storeでの低いレビュー評価の要因となっている、ゲームアプリとしては高めの1,200円という価格設定について、Sensor Towerのアナリスト、スペンサー・ガブリエル氏は以下のように分析しています。
     
    スーパーマリオラン レビュー

    マリオは間違いなく世界で最も人気のあるゲームキャラクターです。しかし、ゲームを試した8%しか課金していません。
     
    この課金率は、ゲームのクオリティによるものではなく、アプリは無料で、必要に応じて少額の課金が発生するゲームアプリが定着しているためと考えられます。

    ゲームアプリ利用者のうち、課金ユーザーが8%というのは、先日のファミ通による調査でも紹介されていたように、通常のアプリ課金率である8.5%とほぼ同等です。

    1,200円という強気の価格設定の理由、任天堂が明かす

    1,200円という、ゲームアプリとしては強気の価格設定にした理由を、任天堂の広報担当者がReutersに語りました。
     

    価格設定は、一度購入してしまえば、その後はアプリ内課金が何度も発生しないことで、子どもたちの親を安心させるためのものです。

     
    モバイルアプリへの参入を議論していた当時、任天堂の故岩田前社長は、レアアイテムをアプリ内課金で販売して巨額の利益を出すアプリに批判的で、「多くの人に、低価格で楽しんでもらうことを目指す」と語っていました。

    任天堂のねらいはアプリではない!?

    任天堂は、スマートフォン向けアプリは利益をあげるためのものではなく、アプリでキャラクターに親しんで、ゲーム専用機に移行してくれることを期待している、と述べています。
     
    エース証券のアナリスト安田秀樹氏は、任天堂のねらいは当たっている、とみています。
     

    任天堂の主なねらいは、大きな話題を作って、人々をマリオに注目させることです。価格設定への批判を含めて、任天堂が期待しているとおりです。

     
    任天堂は次世代ゲーム専用機Nintendo Switchを2017年3月に発売予定と発表しています。「スーパーマリオラン」の成否を判断するのは、マリオのソフトも発売予定のNintendo Switchの販売で判断すべきなのかもしれません。
     
    【追記 2016/12/22 8:30】任天堂の公式発表の内容を追記し、構成を一部変更しました。
     
     
    Source:Reuters, Sensor Tower, 任天堂
    (hato)

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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