「AppleがiPhoneの通話履歴を保存している」ロシア企業が主張
iPhoneでの電話の通話履歴が自動的にiCloudに保存されている、とロシアのセキュリティソフト会社、Elcomsoftが主張しています。
「ユーザーの意思に関係なく収集されている」
Elcomsoftは、iPhoneで通話した相手の電話番号、日時、通話時間のデータがiCloudに数カ月にわたって保存されているとして、同社のソフトウェア「Phone Breaker」は、iCloudからデータを抜き取ってダウンロードできる、と発表しています。
Elcomsoftの最高経営者、ブラジミール・カタロフ氏は、「iCloudバックアップをオフにすれば、連絡先やメモ、カレンダーやWeb閲覧履歴などのバックアップは止められるが、通話履歴は止められない」と、ユーザーの意思に関係なく通話履歴が保存される、と主張しています。
Apple、バックアップの目的は「お客様の利便性のため」と説明
Appleは、以前からiOSのセキュリティ説明書類を公開しており、その中で通話履歴を含むデータをiCloudに暗号化して保存されていることを説明しています。
Appleは現地時間11月17日、以下の声明を発表し、iCloudへのバックアップの目的について説明しています。
私たちは、通話履歴の同期機能をお客様がどのデバイスからでも折り返しの通話ができるという利便性のために提供しています。
各デバイスのデータはパスコードによって暗号化されており、iCloudのデータへのアクセスにはApple IDとパスワードが必要です。
Appleは、お客様全員に強固なパスワードと2ステップ確認の利用をお勧めしています。
専門家「Appleに悪意はない。ただし、明確に説明すべき」
情報セキュリティの研究者、ジョナサン・ザデジアラスキ氏は、「Appleによる通話履歴の収集には一切の悪意はない」、との見解を示しつつ、「Appleはユーザーに対し、データ収集の内容を明確に説明するべきだろう」と指摘しています。
Appleは、公式サイトで2ステップ確認を含む、プライバシーの保護に役立つ設定方法を案内していますので、この機会に是非ご確認ください。