公取委が「独禁法違反」と指摘、スマホ業界の「常識」7つ!

    キャリアショップ

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    公正取引委員会は、大手キャリアがiPhoneなどスマートフォンの販売時に、月額料金から一定額を割り引くといった、「常識」といえるほどに普及した商習慣などについて、「独占禁止法違反の可能性がある」とする報告書を公開しました。

    公正取引委員会が「独占禁止法違反」と見るスマホ販売関連の7つのポイント

    先日、報じられたように、大手キャリアによるスマートフォンの販売や契約形態が、MVNOの参入を阻害しユーザーの選択肢を奪っている、などとする報告書を公正取引委員会が公開しました。
     


     
    「携帯電話市場における競争政策上の課題について」と題された報告書では、以下の点が指摘されています。

    1:端末販売と回線契約の一体化

    現在、大手キャリアでのiPhoneなどスマートフォンの購入は、通信契約と一体化しており、端末の価格を月額料金から割り引くことで、2年の契約で端末代金は「実質ゼロ円」に近い金額となっています。
     
    公正取引委員会
     
    この販売方法により、契約内容がユーザーに分かりにくくなっているうえ、MVNO各社の参入を阻害している、と公正取引委員会は指摘しています。

    2:SIMロック

    大手キャリアは、自社で販売した端末に他社のSIMカードを挿しても使えないよう、SIMロックをかけて制限してきました。
     
    2015年春にはSIMロック解除!?
     
    総務省からの指導の結果、2015年5月以降に発売されたスマートフォンは契約から半年でSIMロックの解除が可能となりました。現在、iPhoneシリーズではiPhone6s/6s Plusと、iPhoneSEが該当します。
     
    公正取引委員会は、SIMロックによって通信事業者の乗り換えが制限されており、ユーザーの乗り換えを妨害する場合は独占禁止法上、問題となる可能性がある、と指摘しています。

    3:2年縛り

    大手キャリアが提供する2年契約(自動更新)を条件とした月額料金の割引についても、問題視しています。
     
    更新月以外に解約すると9,500円の契約解除料が発生するのは不当なユーザーの囲い込み、と指摘しています。

     
    公正取引委員会は、契約解除料を徴収しない、もし取るとしても必要最小限にすること、契約解除に関する手続きを分かりやすくすることが望ましいとして、契約解除料を不当に高く設定するのは独占禁止法違反となるおそれがある、としています。

    4:大手キャリアの通信網の開放が進んでいない

    大手キャリアがMVNOに対し、自社通信網を管理するHLR/HSSと呼ばれるデータベースを開放すれば、MVNOの事業参入が容易になる、としています。
     
    MVNO
     
    大手キャリアによる通信網開放は義務ではないが、開放の条件として不当に高い技術的条件を課すのは独占禁止法にふれる可能性がある、とのことです。

    5:端末の割賦販売

    大手キャリアでiPhoneなどスマートフォンを購入する場合、端末代金を2年間の分割払いにする割賦契約を結ぶのが一般的となっています。
     
    大手キャリアは、割賦契約の総額を機種ごとに固定していますが、これは販売代理店による販売価格を拘束しているのと同じで、独占禁止法違反にあたるとのことです。

    6:中古端末の流通阻害

    端末メーカーや大手キャリアが、中古端末を不当に高い価格で下取りするのは、中古端末の流通を阻害しており、独占禁止法に定める「不当高価購入」や「取引妨害」にあたる、とのことです。

     
    また、端末メーカーが、キャリアの下取りした中古端末を国内で流通させることを禁じる行為なども、「拘束条件付取引」や「取引妨害」にあたり、独占禁止法にふれることとなります。

    7:OSとアプリの抱き合わせ販売など

    Androidを提供するGoogleのようなOSメーカーが、端末メーカーやキャリアに対し、競合するアプリの開発や搭載端末の製造を禁止することや、他社製アプリをインストールしないことを条件とすること、自社製アプリをデフォルト設定にすることなどは「私的独占」「抱き合わせ販売」「排他条件付取引」「拘束条件付取引」「取引妨害」にあたり、独占禁止法に抵触する可能性がある、とのことです。

    公取委「独禁法違反には厳正に対処」

    大手キャリアによるスマートフォン販売をめぐっては、これまでも総務省がガイドラインを示し、是正を求めててきました。
     
    今回の公正取引委員会による報告書は、かなり具体的に踏み込んだ内容となっているうえ、以下のように強い姿勢で臨む方針を示しています。
     

    独占禁止法に違反する疑いのある具体的な事実に接した場合には調査を行うとともに,違反する事実が認められたときには厳正に対処する。

    ユーザーとしては、自分の好みにあった端末が安く買えて、毎月の料金が安く、分かりやすくなれば嬉しいのですが、今後、大手キャリア各社を中心に、どのような動きを見せるか、注目です。

     
     
    Source:公正取引委員会
    (hato)
     

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    この記事を書いた人

    2013年からライター&編集担当として活動。2007年、駐在中のシリコンバレーで発売直後の初代iPhoneに触れて惚れ込む。iPhone歴は3GS→5s→6 Plus→7 Plus→XS Max→12 Pro Max→14 Pro。

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